『八雲』橙がやってくる!
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た。
(見えてないのか? まさか!! この角度からは明らかに見えているはずだ!)
・・・・・・私の顔に何か付いてるウサか? そういえばこのやりとり最近もどこかでしたような・・・・・・。と、てゐが訝しむ。
「いや、ちがッ」
と、橙は足下に浮かぶ奇妙な生命体を示そうとしたときだった。
奇妙な生物は奇怪な鳴き声を発しながら橙の足の指にちょん、と触れた。一体こいつは何を・・・・・・? と考えた直後。
橙の足の先の指はグンッ! と不自然な方向に曲がり――――。
「う、わああああああああ!!?」
ドバドバドバッドバッドバドバッ!!!
爪弾を乱射した!
「――――!? ちょ、何するウサ!? わわっ」
乱射された爪は数十発がてゐの方向へ、そして数発は全く見当違いな方向へ、そして一発だけ、橙を縛るロープを掠めて飛んでいった。
「まだ抵抗する気ウサか!?」
「ち、違う! 勝手に『スタンド』が・・・・・・」
ここで橙は理解する。紫に教えられた『スタンド』は『スタンド』でしか干渉出来ない、という事実。そして今起きたありのままの現象。
(私の意志とは無関係に『牙』は発動した――。しかし、それは何の前触れもなく、私の意志も干渉しない偶然的な物だったのか?)
違ったッ!! 橙は理解したのだッ!
(そうッ! こいつは、このピンク色で背中に羽が生え、お尻から二本の尻尾を生やした妖精のようなこの生物は『スタンド』だ! つまり、私の『牙』の精神の具現ッ! だからこいつによって私の意志とは関係なく『牙』が発動するし、『スタンド使い』じゃあないてゐにはこいつは見えないッ!!)
すぐさま解けた縄をふりほどき、てゐに向かって弾幕を展開する。
「まだ私は諦めていないぞ! 仙符『鳳凰卵』!」
と、橙の周囲に円形の弾幕が発生し、次々と花が開くように拡散する。
「加えて『牙』!!」
そして自機狙いの爪弾を乱射した。
「ちっ、人の話は最後まで聞けよなっ!」
てゐは橙と距離を取りつつ仲間の兎たちに退避するように命令する。
「あんたたちは危ないから下がって見てなー! てゐ隊長の取っておきスペルカードがお目にかかれるよ!」
と、てゐは懐からスペルカードを取り出す。
「『エンシェントデューパー』」
発動とともにカードは消え、てゐの手元で二本の鞭が発生する。
「さてさて、兎らしくぴょんぴょん跳ねてみようか」
合図とともにてゐは跳ねた。同時に周囲からレーザー型の弾幕が二本現れ橙とてゐを一直線の道に縛り込む。
「――――てゐのスペカ・・・・・・? これは初めて見る――!?」
と、なぜ一本道に誘い込んだのかは分からないが初めて見るてゐのスペカに戸惑いを隠せないでいる。だが、てゐが持っているあの
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