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ボスとジョルノの幻想訪問記
『八雲』橙がやってくる!
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・・・・・ちょ、もう泣くの止めて」
「・・・・・・泣いて、ない・・・・・・もん」
(いや、泣いてるだろ・・・・・・)
 橙は赤く腫らした目をキッとつり上げててゐを睨む。あぁ、橙可愛いよ橙。
 と、てゐは再び「はぁ」とため息を付いて。
「・・・・・・はいはい、わかったウサ。いいから目的を言って欲しいウサ」
「・・・・・・紫様に頼まれただけ。藍様は関係ない」
「うん、そこはどうでもいいウサ。なぜ言った」
「・・・・・・私は紫様に永遠亭の『力』をすべて回収して来いって命令した。それ以外の目的は知らない」
 橙はもう話すことは無い、と言う風にぷいっと横を向いた。
「ん〜、『力』ねぇ? 『スタンド』のことウサか?」
「そうそう、・・・・・・あ。〜〜〜!!」
「言っちゃいけなかったパターンか。まぁ、十中八九分かってたけど」
 『スタンド』の回収・・・・・・? 一体八雲は何を考えているんだ?

 てゐが「ふむ」という風に顎をさすりながら思案する横で橙は縄から何とかして脱出を試みようとしていた。
(ぬー・・・・・・、この兎。抜かり無く私の両腕縛ってるから『(タスク)』で縄を切ろうとしても届かないし・・・・・・)
 橙は自分を縛る縄を見る。そこまで太くはないが、体の自由が失われてしまっているため簡単に抜け出せそうにない。
(何とか、抜け出さないと藍様や紫様に叱られてしまう・・・・・・)
 と、橙は藍と紫の言葉を思い出していた。
 ――――いいこと? あなたは仮にも九尾に使役える式紙。今から与える任務は必ず果たすのよ。
 ――――無理はしないでくれよ、橙。・・・・・・紫様はああ言っているが、本当はこんな危険なことに橙を巻き込ませたくないんだ。ただ初めて手に入れた『DISC』が橙にしか合わないと言うからこうして・・・・・・。
 ――――ちょっと、藍! 甘やかしては駄目よ。この『スタンド』のパワーがあれば橙ももう立派な妖怪になれるの。
 ――――し、しかし・・・・・・分かりました。橙、これはあなたにしか頼めないんだ。危険だが・・・・・・頼んだぞ。

 藍様。紫様。私は、私は・・・・・・っ。

 ――――〜ん・・・・・・。

「っ!?」
 突然のことだ。橙の耳に変な生物の鳴き声が聞こえた気がした。

 ―――み〜ん・・・・・・。

 その『気がした』という感覚はすぐに橙の中で確信へと変わり、『声』のした方向を見ると――――。

「ちゅみみ〜〜〜ん」
「――――ッ!?」

 橙の足下付近。地面から数センチ。ソレは、奇妙なソレは。
 宙に浮いたソイツは橙をじっと見ていた。
(な、んだこいつはッ!? い、いつ現れたッ!?)
 背中に寒気を覚え体を揺らした橙。その様子を見たてゐは「どうしたウサ?」と耳を傾け
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