銃弾と氷殼 そのC
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季のどれもスタンドを保有していないわ。――――つまり、この犯人を捕まえられるのはあなた達、三人しかいないのよ。優曇華、ジョルノ、それに――――ドッピオ君」
「永琳さん、それはやはり『スタンドはスタンドでしか倒せない』という絶対のルールに従ってでしょうが、彼を、まだ幻想郷に来て間もない。しかも怪我まで負っているドッピオを戦場に出すのは・・・・・・」
と、ジョルノがドッピオを心配してそこまで言いかけたとき。意外にもそれに答えたのはドッピオ本人だった。
「いや、行くよジョルノ、俺も。なんか知らないけど、『行かなくちゃ』って思うんだ」
「し、しかし君はまだ子供です。それにここは――」
「それを言うならジョルノだって子供じゃないのか? そしてここは幻想郷、だな。何でも受け入れるって言われてるらしいが、そこに住むお前は俺がお前の心配をして一緒に行ってやるって言ってるのを受け入れないのか?」
「・・・・・・そ、そうではないですが・・・・・・だめだドッピオ。やっぱり」
と、ジョルノは首を振って答える。
「大丈夫だって。俺には未来予知ができるんだぜ?」
ドッピオも食い下がる。だが、その間に割って入ったのはてゐだった。
「あ〜! もう、うるさいウサ! さっさと行けよじれったいなぁ!」
「ちょ、てゐ! あなたには関係ありませんよ!」
「な〜にが関係ないウサか! ドッピオはね、あたしにじゃんけんで初めて敗北を味あわせた人間ウサ! ぜんぜん頼りにならないとは思えないね!」
てゐはさっきのじゃんけん勝負を思い出し、ドッピオの放つ異様な雰囲気を彼の強さであると勘違いしていた。
(・・・・・・実際に、あのアイデアを閃いたのは偶然だったんだけどなぁ・・・・・・)
ドッピオはまるで『アイデアが間欠泉に押し上げられた』ように、偶然閃いただけであった。理由としてはやはり、彼が内なる心にもう一人の狡猾な彼がいるからであろうか。
ディアボロとドッピオのリンクは完全に切れてしまっている。自由に交代することも出来なければドッピオが『ボスからの電話』を受け取ることもない。記憶を失ってディアボロのことさえも忘れてしまっているのだ。いわば電源の繋がっていない固定電話にディアボロが一方的に電話をかけようとしているようなもの。
だが、心と電話は大きく違う。ディアボロの考えはドッピオの深層心理――――無意識の部分を突き動かすのだ。
「俺は行くぞ、ジョルノ」
ドッピオは再びきっぱりと言った。
「・・・・・・」
その覚悟を秘めた目を見たジョルノは、これはどうも説得するのは無理らしい、と判断してしまう。
「・・・・・・はぁ、分かりましたよ。勝手にしてください」
「ああ、そうする」
そんな二人を横目に鈴仙は一つ、永琳に尋ねた。
「えっと、師匠? こ
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