銃弾と氷殼 そのB
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分からなかったがじゃんけん勝負とはしめたものである。
てゐの持つ能力は『人間に幸運を与える程度の能力』。実は彼女の能力は人間だけではなく『人型の妖怪』にも効果が適用される。
つまり、自分が対象に入るのだ。
じゃんけん勝負は運によって勝ち負けが決定する。運を引き寄せるのはやはり『幸運』。事実、てゐは幻想郷においてほとんどじゃんけんで負けたことはない。流石に『奇跡』に『幸運』は敵わないが。
「よし、行くぞ!」
だが、因幡てゐはただ能力に頼ってこの世界を生き抜いてきたわけじゃあない。
(あたしには幸運の他にも、幻想郷一のずる賢さが備わってるウサ!!)
ドッピオは大きく降りかぶり、じゃんけんを始める!
「最初はグー!」「パー!!」
だが、てゐはパーを出していた。
「やったー! まずは一勝♪ まさか最初は絶対グーだなんていうルールは設けてなかったもんねー♪ 最初にルールを確認しなかったあんたが悪いのさッ! このスカタン!」
てゐは上機嫌にくるくると回りながら最初の一勝を喜んでいた。
すると、ドッピオは――――。
「そうだな・・・・・・『最初にグーを絶対出せ』なんてルールは無いし、『かけ声と同じ手を出せ』っていうルールも設けて無いな」
ドッピオの手はグーでは無かった!!
「――――何ッ!?」
「よく見ろ、てゐッ! 俺の手は『チョキ』なんだぜェーッ!!」
そ、そんな馬鹿なッ! あ、アタシの『ルールの裏をかく作戦』が・・・・・・完璧に読まれているなんて!!
「次にお前は『てめェー何であたしが最初にパーを出すって分かったんだッ!』と言う」
「てめェー何であたしが最初にパーを出すって分かったんだッ! ――――ハッ!?」
完全にてゐはドッピオに先を読まれていた。
「悔しいかァ〜? 悔しいだろうなァ〜。自分の得意技で揚げ足を取られるなんてなぁ・・・・・・?」
「ぐぎぎぎぎッ・・・・・・! チョー悔しいぃいッ!」
だが、ドッピオはどうやってかは分からないが完全な先読みをしたのは事実。
でなければ、いきなりチョキを出すなんて不可能なのだから。
「どうする? 続けるかい?」
「・・・・・・いや、いーよ。おそらくだけど、『未来』が見えてるんだろう?」
てゐはへらへら笑いながらドッピオに指さした。
「・・・・・・驚いた、そうだよ。すぐ分かったんだね」
「まぁー未来予知なんて幻想郷じゃ珍しくないからねー。・・・・・・ん? いや、あいつは『運命操作』だったっけ?」
「幻想郷は広いな。そんな奴までいるのか?」
「物理的には狭いけどね。他にもすごい奴らは一杯いるよ」
「・・・・・・あ、ちなみにてゐ」
「ん?」
ドッピオは驚愕の事実を語った。
「いや、実はじゃんけんの前にてゐが最初にパー
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