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ボスとジョルノの幻想訪問記
銃弾と氷殼 そのB
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大けがを負ってたの?」
 するとその言葉に「やっと話題が」と安堵の表情を妹紅が浮かべる。
「えっと、私たちも彼女が倒れているのを偶然発見しただけだから・・・・・・詳しいことは・・・・・・」
「違うウサ。いや、本質的には聞きたいことは変わらないけど」
 言葉を変えよう。
「門番はあんたらがここに運んでくる間、何も話さなかったのか?」
「・・・・・・? いや・・・・・・? 分からない、でも気を失っていたから何も話してなかったと思うよ・・・・・・? でも、何だってそんなことを」
「――妹紅、おまえは一生懸命で気が付いてなかったと思うが私は彼女が一言だけ発したのを聞いている」
 途中で妹紅の言葉を慧音が遮った。妹紅は「えっ、そうだったっけ?」という表情を向けて首を傾げた。
 それを待ってましたと言わんばかりの表情でてゐは言葉を継いだ。
「そうそう、それだよ。あたしが聞きたかったのはソレ。門番の怪我の様子とか、そんなことじゃあ無いウサ。瀕死の妖怪が今生の最後の言葉として捻りだした一言に興味がある」
 けらけら、と笑いながらてゐは不謹慎な言葉を吐いた。
「お、おい・・・・・・それはあんまりじゃ」
 とドッピオはどうしていいか分からなかったが取りあえず何かを言おうとしててゐの方を向くと――――。

「――――取り消せッ!」

 そこにはさっきまで温厚だった彼女――――藤原妹紅が、今の一瞬でテーブルに全身を乗りだし、ギラギラとした獣のような瞳でてゐを睨み付けていた。
「・・・・・・っ!?」
 その表情はドッピオに恐怖感を与えるには十分であった。一瞬、妹紅の背後に獰猛な猛禽類の顔が幻覚で見えてしまうほどの気迫にドッピオはビビっていた。
「妹紅、座れ。ここには一般人もいるんだ」
「いや、止めないでくれ慧音。こいつは私の目の前でワザとあの発言をしたんだ。後悔させてやらなきゃ私の気が済まない」
 さっきまで慧音の言葉には従順だった彼女だが、今はお構いなしにてゐに食ってかかる勢いだ。
「そうだよー、妹紅。落ち着いてよ。何もあんたをバカにしたわけじゃあないんだし」
 対しててゐはその態度を崩そうとはしない。へらへらとしながら言葉を続ける。
「不老不死で人間のあんたが命の話になると熱くなるのは分からないでもないウサ。でも単なるあたしの知的好奇心にあんたの定規を当てはめないでくれるかな?」
「ッ知的・・・・・・『好奇心』だとッ!? どこまでも馬鹿にしやがってこのウサ公がッ!」
「ウサ公を馬鹿にするなよ? たかだか1000年程度生きただけの甘ちゃんが」
 まさに一触即発! 今にも妹紅が痺れを切らしててゐに殴りかかろうとしたその時ッ!
「や、やめろよ二人ともッ!」
 ドッピオは自分でも分からないまま、二人の間に入っていた!
 それに
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