銃弾と氷殼 そのB
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が芽生えた。
永琳やてゐ、シャワーから戻ってきた鈴仙といまいち状況を読み込めていない眠そうな輝夜でさえも、笑っていた。
そこには男二人の奇妙な友情があった。記憶のない二人の物語があった。
――――ただ、一人を除いて。
(・・・・・・吐き気がするぞッ!! このディアボロをこんな、こんなッ・・・・・・!!!)
彼にとっては屈辱だっただろう。唯一の味方のドッピオにさえも裏切られた気がした。
そんな時だった。
ガラガラガラ!!!
と、入り口のドアが開かれたと思ったら――――。
「おいッ!!! 永琳、永琳はいるかッ!?」
「た、大変なんだ、美鈴がッ! 人里近くで死にかけてたッ!!!!」
つかの間の平和は終わりを告げた。
* * *
永遠亭を訪ねてきたのは上白沢慧音と藤原妹紅だった。ここに来たときには既に息も絶え絶えでどれだけ美鈴が危険な状態であるかを物語っていた。
「・・・・・・ほぼ全身が凍傷になっているわ。今は季節は秋だから、こんなことが出来るのは・・・・・・チル・・・・・・。・・・・・・誰もいないわね」
なぜ言い直したし、と数人が思ったがあえて聞かないことにした。
「でも、ありがとう二人とも。なんとか間に合いそうだわ。――特に妹紅。うまく体温調節してくれたのね」
と、永琳は微笑んだ。
「えっ、いや、私はおんぶして美鈴を抱えてきただけだぞ? そんなこと、一生懸命で考えもしなかった」
妹紅は手を前に出して感謝の言葉を拒否してしまうが。
「いえ、あなたのその無意識の一生懸命さがきっと炎を生み出したのよ。美鈴に代わって礼を言わせて。ありがとう」
永琳は頭を下げる。妹紅は「えええっ、い、いや、そんな」と恐縮してしまっているが、そんな彼女の頭を押さえて礼をさせたのは隣にいた慧音だった。
「わわっ、慧音なにを・・・・・・」
「礼は受け取れ、妹紅。それと、こちらからも礼を言う。――まだ診療時間ではないのに、無理を言ってしまって」
「いいのよ。命に寿命以外の時間制限なんて、ないもの。救える命は今救わなきゃ。――――後は任せて、二人とも」
そう言って永琳はすぐに奥へと入っていった。今から美鈴の治療が始まるらしい。
永琳がいなくなり手伝いとして鈴仙とジョルノが治療室に入ってしまった今、玄関にはてゐ、慧音、妹紅、ドッピオの四人がいた。(なお、輝夜はこの時既に自室へと戻っている)
「・・・・・・えっと、何だこの微妙な空気はウサ・・・・・・。何であんたら帰らないウサか?」
「ちょ・・・・・・そんな言い方は・・・・・・」
てゐははぁ、とため息を着いて頭を掻いて失礼極まりない言葉を放つ。ドッピオはそのてゐのあんまりな言葉にフォローを入れようとするがまだ幻想郷に
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