銃弾と氷殼 そのB
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は呑気に耳を傾げる。
(・・・・・・これはディアボロのみが持つ固有の反応・・・・・・)
『幼女アレルギー』ッ!!!
これは永琳が勝手に付けたアレルギー反応の一種だが、端的に言うと幼女を見るとヤバくなるアレルギーである。犯罪臭がすごい。
「はッ!? い、いや・・・・・・何でも、ない・・・・・・。どうしたんだろう、俺・・・・・・」
当の本人は困惑していた。最初は食って殺されるかもしれない、と思っていたてゐに対する印象もすぐに薄れていくのだ。「こんな可愛い少女がそんなことをするはずがない」と、落ち着きを取り戻していく。
「・・・・・・すぅ」
と、近くで寝息が聞こえた。
「って、姫様ーーーー!!!! だめです、目玉焼きの上で頭を横にしないでくださいいい!! あ、もうこれあかん奴や・・・・・・」
鈴仙が気付いて止めようとしてももう遅い。輝夜は席に着くや否や、すぐにテーブルに頭を乗っけて――卵の黄身で髪が汚れるのもいとわずに――寝てしまったのである。
「うわぁ・・・・・・これはヒドいですね・・・・・・」
「なに人事みたいに言ってんのよぉおおおーーーー!!! あんたあれだけ姫様の目玉焼きは完熟にしなさいって言ってたのに!!」
「すみません、完全に忘れてました」
「うるせええええ!! いいから布巾持ってこい!!!」
「しかし、客観的には貴方が一番うるさいですよ鈴仙」
「そうよ優曇華。もうちょっと静かにしないと姫様が起きてしまわれるわ」
「あんたらそれでいいのかーーー!!! って、姫様ッ!? あの、うわああ止めて下さい! ちょ、目玉焼きまみれの手で耳引っ張らないで!」
「うるさいぞー・・・・・・イナバー・・・・・・」
「ぎゃあああああああ!!! 髪の毛に黄身が絡むううううう!!」
しばらくして騒ぎは収まったが、鈴仙の髪の毛は痛む一方だろう。
「・・・・・・」
「・・・・・・これが幻想郷さ、ドッピオ。ちょっと騒がしいけど、至って普通の平和。僕がいたあっちの世界じゃあ、たぶんこんな暮らしは送れてなかったと思います。記憶がないから確証は持てませんが、今は楽しく過ごされてはどうですか?」
ジョルノは呆然とするドッピオの手を取って優しく語りかける。
「・・・・・・そうだな。なんか、退屈はしなさそうだしね・・・・・・あと、その敬語、やめてもらってもいいかい? 俺もジョルノには敬語は使わないから」
「・・・・・・! そうですね・・・・・・ですが、これが僕にとっては一番の自然体なんですよ。気持ちだけは受け取っておきます。ですが――――」
と、ジョルノは次の言葉を述べた。
バカ丁寧な敬語を取って。
「これからよろしく頼むよ、ドッピオ」
「・・・・・・あぁ、こちらこそ」
時空を越え、敵と味方も越えた奇妙な友情
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