銃弾と氷殼 そのA
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そうなほどの『冷気』。その中心にいるのは・・・・・・。
「――――あ、ああああ・・・・・・ま、まさか・・・・・・」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
「あら、美鈴。何しに来たのかしら・・・・・・?」
氷の衣装に全身を包み、猫の耳のような物が付いたヘルメットを被る彼女は――――。
冷めた視線で美鈴を見る彼女はッ!
「さ、咲夜さん!?」
十六夜咲夜ッ!! だったッ!!!
* * *
十六夜咲夜 スタンド名『ホワイトアルバム』
なお、ホワイトアルバムのスーツは実体のため、美鈴にも見える。
* * *
私は戦慄していた。一体咲夜さんの身に何が起こったのか。いや、そんなことではない。
今の彼女に全く敵う気がしないのだ。
戦って勝てる相手じゃあない。幸い、私と咲夜さんの関係はまだ良好の方だろう。彼女の痛みも私は分かっているつもりだ。
「さ、咲夜さん・・・・・・」
と、私は第一声を彼女に投げかける。
「さぁ、戻りましょう。今にも紅魔館は壊滅してしまいます。あなたが居なければ・・・・・・私とパチュリー様だけではお嬢様と妹様の制御は不可能です」
イヤな汗が額を流れる。全く暑くないのに・・・・・・これは冷や汗か?
「・・・・・・美鈴、私はもう戻らないと誓ったのよ」
影がかかるヘルメットの奥で咲夜さんは静かに呟いた。
「どの面下げて戻ればいいのよ・・・・・・私は、あんなことを・・・・・・」
言葉から察するに咲夜さんは自分の行動を後悔している。どうやら本心から飛び出していったのでは無いらしい。ついカッとなってやってしまったのだろう。
――――だが、それだけではこの『冷気』の説明にはならない。
何か、別の何かが彼女の背後にある。そんな気がした。
「――大丈夫ですよ・・・・・・、二人は・・・・・・もちろん貴方の行動にも怒っていますが・・・・・・何より貴方が居なくなったという『事実』に対して怒りを覚えています。きっと、戻れば許してくれます。だから、さぁ早く」
私は慎重に言葉を選び、伝える。自分の精一杯の説得を。
「だめよ・・・・・・今更だわ。『今更』過ぎる・・・・・・もう間に合わないのよ美鈴」
首を振って否定の意を示す咲夜さんだが、どこか違う違和を覚えてしまう。
咲夜さんは本当に私の言葉を聞いているんだろうか?
確証はないが、違う物を見ているようだった。
しかし、説得を止める気は毛頭無い。
「そんなことはありません! お願いです、私たちにはあなたが必要なんです!」
「・・・・・・そんなわけ、ないじゃない・・・・・・あなたたちは・・・・・・」
――――と、美鈴は一瞬。自分の言葉を後悔した。
必要、な
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