銃弾と氷殼 そのA
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・でも、一体誰が・・・・・・」
チルノもかなり困惑している。だが、美鈴はこの謎の現象より優先すべきことがあった。
「――と、チルノ! このあたりで咲夜さんを見かけませんでしたか?」
「咲夜? いんや、見てないわ。アタイはさっき起きたばっかりだから・・・・・・」
「ですよね。・・・・・・早く探さないと・・・・・・」
美鈴はチルノに一礼をしてからすぐにどこかへ行ってしまった。
そこに一人取り残されたチルノは・・・・・・。
「・・・・・・ま、いっか! まさか冬でもないのに湖が凍っちゃうなんて、アタイの日頃の行いがいいから神様がプレゼントしてくれたんだわ! よおーし、今日は遊ぶぞー!!」
一面に凍る季節外れのスケートリンクに飛び込んでいった。
美鈴は凍った湖を迂回しながら人里の方へ向かっていった。咲夜さんなら恐らく慣れた人里に向かっていっただろう、と思ったのだ。もしかすると歴史妖怪の元にいるかもしれない――――。
美鈴は昨日の夜の出来事を思い返す。思えば咲夜のストレスはすでに限界を迎えていたのかもしれない。朝の進入者の時に気付くべきだったんだ。
(おかげでお嬢様と妹様はブチ切れ、館内はむちゃくちゃ。ほかの妖精メイドたちはもちろん、私やパチュリー様も手が全くつけられない。あの二人を穏やかに止められるのは咲夜さん、あなたしかいないんですよ・・・・・・!)
美鈴は昨日の惨劇を思い出し、今は暴れ疲れて眠っている内にまともに動ける自分が早く咲夜さんを連れ戻さなければ、と思っていた。
なお、パチュリーはぼろぼろになりながらも二人の大癇癪を何とか凌ぎきり、今は再び暴れ出さないように強力な結界を張ってもらっている。それも、二人が本気になってしまえば意味を成さないのだが。
『早く、今の内に・・・・・・はぁはぁ、あの子を、連れ戻すのよ・・・・・・。お願い、美鈴・・・・・・!』
死にそうな表情でパチュリー様は自分を送り出した。何としても、夜までには連れ戻さなければならない――――。
「はっ――――!?」
と、美鈴は違和感に気付く。もうすぐで人里に着く頃だが、何となく肌寒い。そう、この脇道の奥にこの『冷気』を発する何かがいる。
直感的に美鈴はそちらの方へ向かう。もしかすると・・・・・・いや、そんなはずは・・・・・・だが、この気配は!!
美鈴は確信して駆けだしていた。そちらの方向へ向かえば向かうほど、冷気は濃くなっていく。チルノやレティとは比べものにならない冷気。――――何なんだ、この感覚は・・・・・・。
そして、林を抜けるとそこは少し開けた空間だった。何の変哲もない、ただの森林によくある空間。だが、そこは・・・・・・。
「――――!!」
全面が凍っていたのだ。うっかりしていると、美鈴の全身も凍ってしまい
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