銃弾と氷殼 そのA
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いるように見えた。しかも無口であり、どうやらジョルノの意志に自在に動かせるようだ。彼女は『うそ、私のスタンド・・・・・・弱すぎ・・・・・・?』と思わずにはいられなかった。
だが、ジョルノはスタンドの右手を挙げながら優しく言う。
「違いますよ、鈴仙。スタンド像は人それぞれ違います。やはり、精神に大きく左右されるものです。僕のスタンドは人型で能力は生命を生み出す程度の能力。あなたのスタンドは群生自立型で能力はまだ分かっていない。一匹一匹は弱そうでも、集まれば強力な力になるかもしれません。それこそ、僕なんて足元にも及ばないほどに」
あなたにはスタンドともう一つ、別の能力があるわけですから。と、ジョルノは付け加えた。
なんだか煮えきらない鈴仙のことをしってかしらずか、1号は鈴仙の顔の前にやってきて思いっきり頬をつねった!
「ソーダゾレイセン! オマエオレタチノチカラナメテンノカ!? コンニャロー!!」
「いたたた、痛いわよ! ちょ、はなひて!」
ギリギリッ、と鈴仙の頬はつねられている。スタンドの見えない永琳とてゐには不思議な光景が映るが、ジョルノがくすっと笑うのを見て――――。
「ふふふっ、まぁ楽しそうでなによりだわ」
「あはははは、鈴仙最高だよ、その間抜け面! やっぱりあんたには辛気くさい顔は向いてないよ!」
笑っていた。
「ちょっと、なんれ笑ってるのひょー! しひょー! てゐ! それにジョルノもー!」
未だにほっぺをつねらせる鈴仙もまた、涙目で笑っていた。
ここは永遠亭。やはり、今日も平和である。
――――だが。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
隣のベッドに眠る、『彼』を除いて。
* * *
永遠亭からそんな笑い声が聞こえてくる中、霧の湖では一匹の妖精が唖然としていた。
「・・・・・・え、これアタイの力? 何これ、まだ秋だったよね?? 一体・・・・・・どうなってんの?」
そこには氷の妖精、チルノが湖の畔で立ち尽くしていた。
彼女の目の前には完全に凍ってしまった湖が広がっていたのである。
「あ、チルノ! 良いところに!」
そんな彼女を呼び止めたのは紅い髪をしてチャイナドレスを身に纏った紅魔館の門番、紅美鈴だった。
「め、美鈴! どうしたの?」
「いや・・・・・・ちょっと咲夜さんを捜しに・・・・・・ってなんじゃこりゃああああ! 湖が一面凍って・・・・・・寒っ! まさか、チルノ・・・・・・」
「ち、違うよ! いくらアタイがサイキョーでも一晩で湖を全面氷付けなんて・・・・・・! それにまだ秋だし!」
「・・・・・・よね。まさか、冬の妖怪? いや、彼女はこの時期山にいるはずだし・・・・・・」
「レティはそんなことしないよ! ・・・・・
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