銃弾と氷殼 その@
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て二人の幼女吸血鬼の元へ急いだ。
「あ、あの・・・・・・」
「咲夜」
「は、はい」
そこでは二人が不思議そうな顔で咲夜の方をみていた。
「どうしたの?」
「なにか嫌なことあった?」
二人の幼女――レミリア・スカーレットとフランドール・スカーレットは同時に咲夜に尋ねる。
「えっとその、何で――――」
何でもありません、と答えようと思った瞬間。
「まさか、フラン。咲夜に嫌なことなんてあるわけ無いじゃない」
レミリアがフランの方を向いて言った。
「あはは、そうよね。フラン勘違いしてた」
「そうよそうよ。何度も言ってるでしょう? 咲夜は私たちの忠実な僕。つまりは犬よ。私たちにこき使われて咲夜もきっと幸せだわ」
(アレレ?)
咲夜は首を傾げた。
「流石はお姉さま! 咲夜のことがよく分かってるわ! そうよね、咲夜は私たちの奴隷みたいなものだから、こき使ってやらなきゃだわ!」
(アレレレレ?)
咲夜は持っていたスープを落とした。
「そうよ。何でも瀟洒にこなす十六夜咲夜。それを使ってやるのが私たちの義務であり、権利じゃない!」
(アレレレレレレ?)
咲夜は持っていた肉を落とした。
「義務は果たして権利は行使、これ絶対だよね! 咲夜に義務はあれど、権利はないけど」
(アレレレレレレレレレ?)
咲夜は持っていた物を全て地面にぶちまけた。
「そうよそうよ。だからね、咲夜」
「ねぇ、咲夜」
「私たちの可愛い可愛い奴隷ちゃん?」
「それ」
「うん、それ」
「今地面に落とした奴、片付けてね」
「うんうん、もちろん、舌で」
「舌で」
「綺麗に」
「舐め取れ」
直後に十六夜咲夜の何かがぶちぎれた。
それは一瞬の出来事だった。咲夜は何を思ったか、二人の幼女の首を掴み持ち上げていたのである!
二人は何をされているか分からない、という風に目をぱちくりさせ、後ろでは妖精メイドたちが咲夜を止めようとするが誰も近づけずにいた。
「ちょ、ちょっと! 咲夜、何してるのよ! 何してるか分かってんのかしら!?」
「そうよ、今すぐ下ろしてよ! さもないときゅっとしてドカーンするよっ!?」
まだ咲夜の悪ふざけか何かだと思っている二人は冗談めいているが――――とうの咲夜は泣いていた。
その泣いている咲夜を見て二人はぎょっとする。
「・・・・・・お嬢様方、申し訳ございません。こんなご無礼を働いてしまって、咲夜はメイド長失格です」
涙を流しながら咲夜は二人を交互に見た。
「そ、そう思うなら放しなさいよ! うー、ちょ、苦しい」
「ぐにに・・・・・・、どうしちゃったのよ咲夜! 咲夜のくせに!」
二人は若干苦しそうにする。
「申し訳ございません、申し訳ございません。ですが、最後に一言言わせて下さい・・・
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