銃弾と氷殼 その@
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アボロのベッドに移動する。
「・・・・・・さて、おそらくはジョルノ君と同じ外来人よね?」
「・・・・・・」
「意識は回復しているものの、動けない、か」
(この女・・・・・・医者か? ジョルノと面識があるのか、随分と親しそうだが・・・・・・。俺のことを外来人と呼んでいることから、こいつもパルスィと同じく幻想郷の住民だ。そしてやはり俺は幻想郷にまだいるらしい)
そこでディアボロは「何故、ジョルノもこっちに来ているのか?」という疑問が浮かんだ。さらに、彼の姿を見ても攻撃してこなかったことから推測するに彼のことを覚えてもいないらしい。
(やはり状況はよく飲み込めないが・・・・・・何としてもこの女からDISCを奪わなくては・・・・・・!)
「――――そのまま聞いてくれて構わないわ。これは私の憶測なんだけど・・・・・・」
永琳はディアボロ耳に近づき鈴仙には聞こえないような小さな声でささやく。
「あなたはこの円盤について何か知ってるわね?」
「・・・・・・ッ!」
「あら、図星? やーだー、当たっちゃった?」
永琳は似合わぬ口調で体をくねらせる。
「ちなみに、今あなたの体の自由を奪っているのは私の薬なの。怪我ならもう完治してるわ」
(な、んだと・・・・・・!! このアマッ!)
と、叫びたい気分だったが声はおろか目線すらも動かせない。
「ふふふ、敵対心に満ち溢れてるわね。そんな貴方にはこれをプレゼント♪」
永琳はそう言うと懐から指輪のようなものとメスを取り出し――――。
メスでディアボロの胸を切り裂いた。
「・・・・・・ッ!?!?」
(な、なんだこの女はッ!? ヤバイ、やばすぎるッ! 何の躊躇いもなく、今治したばかりの患者の胸を麻酔無しでかっさばくなって!)
だが、不思議と痛みは感じなかった。体がぴくりとも動かせなかったから分からなかったが、どうやら永琳の薬の効果で彼は痛覚を失っていたのである。
シュパシュパシュパ〜ン。
次々と恐るべきメス捌きで彼の胸は切り開かれていき――――。
「見えた、大動脈」
(どこまで切り開いたんだコイツッ!?!?)
「すかさずこれを・・・・・・っと」
そして永琳は切り開かれたディアボロの胸の奥の心臓、大動脈部分に先ほどのリングを取り付けた!
(な、なにィーーーーーー!? し、心臓に指輪があああああッ!)
「名付けて『死の結婚指輪』! ・・・・・・何かしら、このネーミングセンス・・・・・・」
永琳は若干自嘲気味にははは、と生気の宿らない遠い目で笑った。
「さてさて、ちゃっちゃと縫合しますか」
(お、おい・・・・・・これは一体どうなるんだ!? お、俺は・・・・・・また、死ぬのか?? こんな訳の分からない奴に殺されて・・・・・・また、また!!?)
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