プロローグ ~ディアボロが幻想入り~
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クッ!? 何だ、こいつ・・・・・・。く、臭すぎる、全部酒か!? ワインじゃあないようだ・・・・・・この国独特の物か?)
ディアボロの脳内には『臭くて死亡』とかいうみっともない死因が浮かんだ。
「嬉しいこと祝いだ、この外来人も混ぜて飲むぞパルスィ! 勇儀! 今の私は気分がいい! 明日まで永遠に飲んでいたい気分なんだ! 酒ッ! 飲まずにはいられない! ってね!」
「い、いや。お、俺は・・・・・・」
ふざけるんじゃあない。普段からワインは嗜む程度にしか飲まないんだ。こいつらの飲んでいそうな酒なんて飲んだら、急性アルコール中毒で死んでしまうかもしれない。
「んん〜〜〜〜? 何だねピンクのおっさん、私の酒を断るというのかそーかそーか。なら無理矢理でも付き合ってもらうぞぉ〜〜」
萃香はとろんとした表情でディアボロの肩を組みながら顔をのぞき込む。
(うぉう! 口臭がッ! 鼻が曲がる!)
その様子を見ていたパルスィは「そうねぇ。私もたまには飲んで妬みを和らげてみようかしら」なんて言っている。
「よぉぉしっ、そうと決まればパルスィの家に行くぞぉ〜お前ら!」
萃香は体重70キロはあるディアボロを片手で引きずり、橋を渡っていく。
「なっ、おいこら離せ!! やめろ、本当に死ぬ!」
パルスィの話ではこの『幼女』は『幼女』では無く『鬼』らしい。明確な違いはよく分からないが、『少女』ではないならば予想される死因でも発生するだろう。だが、予想されるならば対策が立てれる。
立てれるのだが・・・・・・。
(マズイ! これは急性アルコール中毒による心配停止が濃厚! な、何としても回避しなければ・・・・・・だが、うわあああ!? こいつ、なんて力だ! 全く振り切れん!)
ディアボロはもがき、苦しむが萃香の手はディアボロの腕から全く引きはがれない。ミシミシと音を立てているが折れてはいないだろうか。
こうしてディアボロは半ば強制的にパルスィの家に向かったのである。
* * *
その頃、紅魔館では――――。
「美鈴」
「ゲェッ! メイド長!」
先ほど謎の進入者を殺した(死体はなぜか消えた)十六夜咲夜は、ディアボロの進入を許したであろう紅魔館の門番。紅美鈴の元へ来ていた。
咲夜にいきなり呼ばれてびくっと体を振るわせたのは門番の紅美鈴。仕事の時間よりも食事睡眠休養の方が10倍時間を使っている職務怠慢妖怪である。
「ゲェッて何よ。いつから私そんな嫌われキャラになったの?」
「いや、何でもないです。それよりどうかしましたか? 私今日はまだ寝てませんよ」
「さらっと日常の罪科を吐露したわね。・・・・・・まぁ、いいわ。あなた今日誰か門に通したかしら?」
「・・・・・・えっ? だ、誰か敷地内にいたんですか?」
美鈴の顔から汗
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