プロローグ ~ディアボロが幻想入り~
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? って、なんじゃそいつは??」
「あぁぁ、クソッ。萃香てめぇ、耳元ででけぇ声出すんじゃねぇよ、頭に響いちまうじゃあねえか」
萃香と呼ばれた幼女はパルスィに向かって大声で呼んで手を振った。
「勇儀の言う通りよ萃香。少し声が大きいわ。――それと、こちらは外来人の・・・・・・名前聞いてなかったわね」
と、パルスィがピンク髪の奇妙な男性に視線を向けると。
「・・・・・・あ、あの『幼女』を俺に近付けさせるな・・・・・・。でないと、ま、またッ! また俺はッ!」
「・・・・・・ハァ? 何、急に息荒くして。あなたロリコンなの? で、名前は?」
「・・・・・・ロリコンじゃあない、ディアボロだ。それより、・・・・・・簡単に言うと俺はもうすぐ死ぬ。だからあの『幼女』を俺に近付けさせるな」
「・・・・・・」
パルスィは目を閉じて深い溜息をついた。
「あなたの言ってることは全く理解できないし、全然理解しようとも思わないのだけれど。余りの動揺ぶりが可哀想だから一つ、親切にも教えてあげるわ。――彼女、あなたの指している伊吹萃香は『幼女』じゃない。アレは鬼よ」
「・・・・・・何を言っている」
「額面通りよ。アレは人間じゃあない、そして隣にいる大きい方の彼女も鬼、星熊勇儀よ」
「・・・・・・全く」
と、ディアボロはつぶやいた。
「全く持って意味が分からない。それではなんだ? 貴様は妖怪だ、とでもいうのか?」
「あら、そうよ。よく分かったわね」
ディアボロは笑いながら冗談半分で言ったつもりだったが、パルスィがきょとんとした顔でそう即答したので――。
「・・・・・・ふふふ、ふははは!! 何だ、じゃあここはあの時のホテルと同じように夢か。今度は鬼と妖怪・・・・・・、『幼女』じゃないならどんな死でも可能性があるというわけか。全く持って、訳が分からんな」
「ふふふ、夢だったら良かった。とか思ってるの? でも残念ねここは・・・・・・」
「だから気に入った」
「・・・・・・ッ!?」
急に冷静さを取り戻したディアボロに驚くパルスィ。だが、彼は言葉を続ける。
「夢ならよかった? ならば、そうか。じゃあ何にも問題なんてないじゃあないか。前回のは夢だったが、今回は違う『かもしれない』んだろう? だったら十分だ。1%でも可能性がある限り、この永遠の死から脱出してみせる・・・・・・」
と、ディアボロが笑みを浮かべて言った。
「・・・・・・何のことよ」
「いや、こちらの話だ。少し嬉しくてね・・・・・・むぉッ!?」
すると背後から突然誰かに肩を組まされた。
「何だ外来人。嬉しいことでもあったのかぁぁ〜〜?」
「クッソ、萃香ぁ! 私を地面に捨てたままいくんじゃねぇええ!」
いつの間にか酔っぱらいの『幼女』が彼の後ろにいたのである。
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