プロローグ ~ディアボロが幻想入り~
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た。
「まぁ、ここで説明するのも何だし。着いて来なさい外来人。すぐ近くが私の家だから」
パルスィは橋を渡った先を指さしディアボロに着いてくるように命じる。
「いや、しかし・・・・・・」
渋るディアボロにパルスィは「遠慮はいらないわ」と言う。
「違うんだ・・・・・・その、申し訳ないが橋を『渡る』のが怖いんだ。俺が橋を渡っているときに底が抜けたらきっと死んでしまう」
ディアボロは『再び』と思っていた。『再び』訪れた変化なのだ。今まで他の『人間』がこうして彼に状況を説明しようなどと提案はしてこなかったのだから。無碍に死んでこのチャンスを逃してはいけない、と思っていたのだ。
「・・・・・・はぁ? ちょっと、用心にもほどがあるわよ? というか心配しすぎでしょ。子供が落ちても足が着くのよ、この川」
パルスィは怪訝そうに眉を寄せてそういうのは当然だった。
「分かっている、だが俺の場合はそうはいか・・・・・・」
と、ディアボロが事情を説明しようとしたときだった。
「お、ほらみろほらみろ! ほ〜らほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほら! 言っただろぉ〜勇儀ぃぃ〜、こっちの道で合ってるってさぁああああ〜〜。オマエやっぱり酔いすぎだって、自分の家の帰り道すら覚えてないとか、やっぱり酒船を一人で一杯はやりすぎたンじゃあないのかぁぁ〜〜〜??」
遠くから賑やかな声がしてきた。
「んんんんんっるせぇええよ萃香ぁあああ、酔い醒ます前にパルスィんとこ着いたら怒られるだろぉぉぉ〜〜? つーかここらへん道が暗すぎなンだよ〜〜。これじゃあクソしたくて早く帰っても迷子になっちまったらその辺でするしかねぇじゃあねぇ〜かよぉ〜〜〜」
もう一人いる。
そしてどちらも泥酔しているようだ。
「・・・・・・ごめんなさいね、外来人。厄介が帰ってきたわ」
パルスィは深い溜息をついてディアボロの背後の暗がりから現れた二人を睨んだ。
同時にディアボロもそちらの方を向くと・・・・・・。
(――――な!?)
そこには、一人は片方の肩に身を任せて顔を真っ赤にさせて足を引きずりながら歩く体格のいい女性だった。それだけを見ればただの酒癖の悪いOLのような感じだが、彼女の額には本来の人間にはない物が存在していた。赤く、その存在を激しく自己主張するかのようにそびえる長い角である。
そしてもう一人、その額に一本の角を持つ女性に肩を貸し、ふらふらとした足取りで手に持った瓢箪をあおる人物がいた。そいつにもなんと、頭の両脇部分から角のような物が二本あった。
だが、ディアボロが驚愕したのはそんな理由ではない。
(あれは・・・・・・『幼女』!?)
そう、後者を説明した人物は見た目年齢8歳程度の『幼女』だったのである。
「よぉーパルスィ!!! 元気ー
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