プロローグ ~ディアボロが幻想入り~
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ちの絆ですよ。こんな状況でも、あなたに対する彼女の態度は頼もしくもある。そこに僕が介入できる余地はない」
「・・・・・・」
鈴仙は黙って聞いていた。彼女は不安と同時に奇妙な嬉しさもまた、心に抱いていた。
「何言ってるのよ・・・・・・こんな時に」
「こんな時だからですよ。僕はただ黙ってあなたを見守るしかできません」
ジョルノは嘆息しながら言った。
「じゃあ黙っててよ・・・・・・」
「・・・・・・了解しました」
しばらくの沈黙の後――――。
「・・・・・・・・・・・・ありがと」
その言葉に彼は何も答えなかった。答える必要はなかった。
* * *
その頃、永遠亭付近の竹林。
日は暮れて竹林の中は真っ暗だった。
「ふぅ〜、なんだか知らないけど鈴仙が騒ぎを起こしてくれたおかげで永琳様のお仕置きルームから抜け出すことが出来たウサね。全く、不幸中の幸いというか・・・・・・ん?」
てゐはお尻をさすりながら竹林を散歩していると――。
「行くよ、リグルー! そーれっ!」
「うわっ、ミスティア! 速いよ! スピードが・・・・・・ぶへっ!」
虫の王、リグル・ナイトバグと夜の歌雀、ミスティア・ローレライがフリスビーで遊んでいた。
「・・・・・・むむっ、あの二人がフリスビーにしてるのは金色の円盤? お金の臭いがするウサね」ニヤリ
悪い笑顔を浮かべながらてゐは二人に近づいていった。
「よっす、二人とも最近どお?」
「あー、てゐちゃん! 私はぼちぼち儲かってるよー!」
てゐの呼びかけにミスティアは手を振って答える。
「いちち・・・・・・私は・・・・・・出番がないなぁ最近・・・・・・」
「そうかいそうかい、ところで最近聞いた話なんだけど、『金の皿』っていう怪談話知ってるウサ?」
「げ、怖い話かぁ私あんまり好きじゃないんだよな・・・・・・」
「ちんちーん! 私は結構好きだよ! 人間おどかす参考になったりするからね!」
二人は両者反対の反応を返した。リグルの反応は「ホラー系苦手だけど見ちゃうの><」っていう感じである。
「ふーん、じゃあ教えてあげるウサ。金の皿っていうのは・・・・・・君たちアレ知ってる? お皿の小町さんっていう」
「あ、お皿が一枚足りないうらめしやー、って奴? それなら私は聞いたことあるよ」
「うんうん、私も知ってるけど・・・・・・。それ定番中の定番じゃないのー? もう聞いても怖くないよ私」
すると、てゐが声色をドス黒く変えて言った。
「・・・・・・それは民衆が怖くないようにって改変した話ウサ。本当の『お皿の小町さん』にはただの皿じゃなくてもう一枚、『金の皿』っていうのが・・・・・・」
てゐの語りは引き込まれるようだった。一つ一つの言葉が恐怖感を募らせるように配置され、聞
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