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ボスとジョルノの幻想訪問記
プロローグ ~ディアボロが幻想入り~
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ボスとジョルノの幻想訪問記 1

 2012年某日! 世界は一巡し、歴史は繰り返すッ!
 だが、『彼』だけは一巡していなかった! 一巡とは一度世界は閉幕を迎え、そして新たに始まったということ。そう、全ての生命はその活動を停止させ、再び蘇ったのである!
 ――――だがそれも、しっかりと終幕を迎えたものだけだった。もう一度、繰り返すようだが、『彼』だけは一巡していなかったのだ! それはつまり、『彼』には終幕が、終焉が、幕引きがやってこなかったのである!


――――――――――

 男は目を覚ますと、周囲の確認作業に移る。地面に横たえている彼はまず、頬に触れる肌触りで地面が『塗装されたコンクリート』であることが分かった。瞬時にここは町中であると判断する。すぐに起き上がり、周辺に人間がいないか、危険が存在しないか確認する。
「・・・・・・ッ!!」
 彼は左を向き、そして右を向いた直後に、危険物を発見した。息を付くまもなく、自身に起こっている現象を整理し、痛みを最小限に押さえられる方法を思案しようと思ったが。――出来ない、分からない。
「・・・・・・畜生ッがぁあああああ!!!!」
 彼の視界に移ったのは『幼女』。茶色の髪をして、コカ・コーラのカップを手に持ってこちらを凝視しているだけの、何の変哲もない『幼女』だった。
 だが、彼には幼女は死神にしか映らない。彼は思った。
 いつもだ、いつも、こうなってしまう。
 次の死因が分かる前に幼女を発見してしまうと、予期しない死因が彼に無理矢理上書きされる。普通ならば予測できる死因も、幼女が現れると全く違うモノになってしまう。
 彼の死因は毎回様々で普通は予測などつけられないものだが、100、200、1000、10000と数を数えるうちに大体ではあるが『あたり』をつけられるようになっていた。
 町中なら、偶発的な事故や通り魔など。
 水辺なら、大抵が溺死。
 荒原なら、野生動物による搾取が主。
 山中なら、滑落と転倒による全身の強打だろう。
 飛行機や車ならば、必ず爆発事故だ。
 他にも、様々なパターンがあり、しかし、どれも死を避けられないのが共通事項である。
 パターンを知っているなら対策は立てやすい――――とは言ってもどちらにせよ死んでしまうのだが、痛みを最小限に押さえることは可能だ。
 だが。
「くそッ、やめろ! 近付いてくるな、俺を、見るなッ・・・・・・」
 『幼女』が目の前に現れるときだけ、彼は深い絶望の中、異常な苦しみを味わいながらゆっくりと死んでいくのだ。
「・・・・・・オジサン、大丈夫?」
 幼女は彼の声には全く耳を貸そうとはせず、不用心に近寄ってくる。酷く狼狽する彼を心配そうに見つめ、その距離を詰めてきている。
「近付くなッ! あああ、ヤメロ! く
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