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大神桜絵巻
プロローグ
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ー!!どうなってんだ?これ!?」

「その方は、我らが慈母。大神アマテラス様。鏡は神器、真経津鏡というもの」

そう言ってサクヤ姫も近づく。

「大神アマテラスに神器?……って美人さんが浮いてる!?」

「私は木精サクヤ姫といいます」

「精霊!?んー、ここは夢の中か?でもさっきの痛みリアルすぎるし……」

「ここは夢の世界ではありませぬ。ナカツクニにある神木村というところ」

「ナカツクニ?神木村?俺、さっきまで自分の部屋で二度寝していたんだが?」

「少し、お聞きしたいのですが」

「?なんだ」

「慈母と似たお姿。慈母となにか関係が?」

「わん!」

アマテラスがじーっとこちらを見て吼える。

「ん?この犬と似た姿?俺のどこがそんなに似て……えええええ!!」

「わふっ!?」

「ど、どうしたのですか?」

「お、俺、犬になってるぅぅぅぅぅぅ!!」

「落ち着いてください!それに慈母は犬ではなく狼」

「じゃあ、俺、狼になってるぅぅぅぅぅぅぅ!!」

「二回もやんなくていいです!!」

「おいおい、俺は人間で普通の高校生だったはずだが?」

「貴方は人間だったのですか?」

「れっきとした人間だったと思うが……捨て子だったけど、さすがに親が狼だったなんてないだろうよ」

「それはないはず、でも、貴方からは強い力を感じまする。どうか、慈母の力になってはもらえませぬか?」

「んー、一般人の俺に何かできる事があんなら手伝うよ。なんかここ俺のいたとことは別世界っぽいし、帰り方わかんないし」

俺がそう言うとアマテラスは尻尾を振り、サクヤ姫が嬉しそうにする。

「わん!」

「感謝いたします。そういえば、まだ、貴方の名を聞いてないですね」

「俺は白渡久桜。久しい桜と書いてくおうと読む!!」

「久桜……貴方にはアマテラス大神と共にこのナカツクニに蔓延る闇を払い、悪しき物どもを成敗し、そして……?おやこれは何ぞ?急に懐がこぞばゆく……」

そうしてくすぐったそうに笑い始めるサクヤ姫。俺とアマテラスはじーっと見ていると、サクヤ姫の胸から緑色の光が飛び出す。それが何かサクヤ姫の態度を見る限り知ってるらしい。

アマテラスはいきなり跳ね始めた緑の光に驚き警戒する。なんだあれ?
っていうか美人の胸の中に入っていたなんてうらやm……げふんげふん。とにかくけしからん!!

お前また私の懐で昼寝を……?ってサクヤ姫が言う。

ま、またー!?て、てめぇ……まただと?普通ならばそんな所で昼寝なんてできないと言うのに……

「うおっ!?なんかまがまがしい殺気が……」

と言いつつイッスン様でィ!と名を名乗る。

旅絵師?あんな小さな豆
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