1部
33話
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潰すというのはよくある話だ。
特に砂隠れは木の葉に忍としての自国からの需要すら持っていかれていることもあり、需要を取り返すためにいつ戦争になってもおかしくはないからな。
「歴史を紐解けば、今の同盟国とは即ち、かつて勢力を競い合い、争い続けた同盟国同士。
その国々は互いに無駄な戦力の潰し合いを避けるためにあえて選んだ戦いの場、それがこの中忍選抜試験のそもそもの始まりなのじゃ」
加えて忍の質を問う商品市、実演販売とでもいうべきものでもあるな。
「第三試験には、我ら忍びに仕事の依頼をすべき諸国の大名や著名の人物が招待客として大勢招かれる。そして各国の隠れ里を持つ大名や忍び頭がお前達の戦いを見ることになる。
国力の差が歴然となれば強国には仕事の依頼が殺到する。
弱小国と見做されれば逆に依頼は減少すると同時に隣国各国に対し我が里はこれだけの戦力を育て有しているという脅威、つまり外交的圧力を掛けることも出来る。
国の力は里の力。里の力は忍びの力。そして忍びの本当の力とは、命懸けの戦いの中でしか生まれてこぬ。
命を削り戦うことでバランスを保ってきた慣習、これこそが忍びの世界の友好。己の夢と里の威信を懸けた命懸けの戦いなのじゃ!」
命懸けの殺し合いか、一応先程の試験もそういう触れ込みだったのだがな。まぁ、脅し文句の一種なのだから仕方ないな。
そんな風に考えていると砂の人柱力が、退屈でうんざりしたというような口調で言葉を発した。
「なんだっていい、それより早くその命懸けの試験ってヤツの内容を聞かせろ」
「うむ。ではこれより第三の試験の説明をしたいところなのじゃが、実はの……」
火影が言葉を区切ると同時に、火影に向かって膝をつき頭を垂れる顔色の悪い男が現れた。月光ハヤテと名乗ったその男は火影の言葉を継いで話を続けた。
「今回は第一・第二の試験が甘かったせいか、少々人数が残りすぎてしまいましてね。中忍試験規定に則り予選を行い、第三の試験進出者を減らす必要があるんです。
先ほどの火影様のお話にもあったように、第三の試験にはたくさんのゲストがいらっしゃいますから、ダラダラと試合は出来ず、時間も限られてくるんですね」
……もう一戦何かしらあるのか。正直早いところ帰って、熱い湯に浸かりたいのだがな。
「というわけで、体調の優れない方。これまでの説明で止めたくなった方、今すぐ申し出てください。
これからすぐに予選が始まりますので……言い忘れていましたが、これからは個人戦ですので自分自身の判断でご自由に辞退してください」
「あの、僕は止めときます」
薬師カブトは真っ先に手を上げて辞退する意思を告げ、それの了解が取れるとそのまま試験会場を後にした。
どうやらカブトは何かしらの任務を既に終えたのだろう。明らかに中忍試験に関
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