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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第百十幕 「クライシス・デイズ」
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て私の子供じゃない。目の前から失せて、どこかへ行って。
やめて。母さん、そんなことを言わないで。
やめて。父さん、そんな目で見ないで。
違うんだ。僕じゃない。僕じゃないんだ。
頭が割れそうに痛い。頭蓋から脳を引きずり出されるようだ。
なんでみんなそんな目で僕を見るの。僕、違うのに――違う、何が。
武器が怖い。刃物が怖い。
嫌だ、捨てないで。置いていかないで。僕をそんな目で見ないで。見捨てないで。
怖い。人と一緒にいるのが怖い。誰にも会いたくない、誰にも近付きたくない。
生きる価値がない。
消えたい。無になりたい。自分の存在を消し去りたい。
苦しい、息が、出来ない。助けて。助けて。頭がおかしくなってしまう。
沈む、僕が、沈む。
僕には存在する価値がないんだ。
ミノリだって本当の事を知ったら僕に近づいたりしない。
だから、僕を求めないで。
来るな。
来るな。
来ないで。
傷付けたくない。傷つきたくない。
嫌だ、ミノリ。見ないで。
君も僕を母さんと同じ目で見るのか?
「僕を見ないで………見ないで!見るなぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーッ!!!」
爆発した感情が、ベルーナの閉じ込められていた棺桶を吹き飛ばす。
ISがその感情に呼応して勝手に起動し、ベルーナの全身を包む。
交わらない黒。拒絶の黒。闇の黒。
太陽の下ではただシンプルなだけに見えたその姿が、今この瞬間だけはひどく禍々しい。石像に宿る悪魔が動き出したような、怨霊が呻く怨嗟のようなノイズ。
「ベ、ベル君!無事だったんだね!……ベル、君?」
漸く彼を発見した佐藤さんも、異常に気付いた。
その黒いISの背中から、白と黒を混ぜた禍々しいマーブル模様の「何か」が溢れ出ている。
それは悪魔の翼が広がるように虚数空間へ広がっていく。
天使の羽と呼ぶには余りにも歪。
悪魔の羽と呼ぶには余りにも奇怪。
背中から引きずり出されるように「それ」を放出するベルーナが痙攣する。
「ぅうううう、ううううううーーー……」
獣のように唸り声をあげるその目には理性もなければ野生もない。言うならば、虚無。
その瞳には何も映っていないように見えた。
背中の円柱形バックパックが、切れ目に沿って脱落し、背中から溢れ出た「それ」に融合するように沈んでいく。水の流れのように絶え間なく蠢くその灰色の何かは、やがて収束して形を成していく。包み込む、繭のように。
エネルギー警告。
《これは……いけない!マスター!今すぐこの場所から退避を、いや間に合わないか……!複合拡散シールド『アルヴァトーレ』展開!耐衝撃防御を!!》
「え?え??だ
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