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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第百十幕 「クライシス・デイズ」
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ム補助を無視して飛びまわって空に浮かんだ使徒を立体的に取り囲んだ――その瞬間、鈴ちゃんが大きな声で叫ぶ。
『結ッ!!』
瞬間、札と札の間に無数の炎が走り、ロープが絡み合うように32角の立体的な牢獄を形成した。角の一つ一つが陰陽玉になっており、まさに結界か封印といった風体だ。
自衛隊の人達もスーパー鈴ちゃんの説明には半信半疑だったが、あれほど巨大な結界を作り出したとなると流石に動揺を隠せない。少なくとも今のIS技術でこの光景を再現するのはどの国でも無理だろう。
「中国の新兵装……で片づけるには、出鱈目すぎる……!!」
「あわわわ……!?と、止めないでいいのですか隊長!?」
「落ち着けって加藤。だいたい止めるったって……どうやってですかー?」
「よなぁ」
一方の文先生はというと……何故かジョウさんの影にこっそり隠れている。いや、盾にしている?
「どうも今の鈴は信用できないからな。最低でも一人生き残るにはこれが有効だ。ベルーナのために犠牲になれ!」
「このクソ教師!俺だってユウを残してくたばれんわ!アンタが盾になれよ!」
「若いのが体を張れ!お前は織斑にも認められたんだからこれぐらいなら死なん!!」
「何の根拠にもなってねえよ!!ロートルの方が若いののためにとっとと道空けろよ!」
「誰がロートルだ!私は現役だぞ!見よこのボディライン!未だに現役の証拠だ!!」
「生徒につまらん物見せつけんじゃねーよ!!」
「ンだとクソガキぃ!?そこまで言うなら私の女らしい所見せてやろうじゃないか!」
「………何をやっているんだ
文
(
あいつ
)
は」
余りに緊張感のない光景に自衛隊の隊長さんが頭を抱えている。醜い……醜いぞ人間ども!とどこからか無駄にゴツイ天の声が聞こえてきそうなあの二人はさておいて、問題は影の方。見た目には変化が分からないが、恐らくはかなり安定したのだろうか。
「鈴ちゃん、もう飛び込んでもいい!?」
『構わん!飛び込めッ!!』
この広大な闇の中からベル君たった一人を救出するために潜る。
そう、いまの私はベルワンダイバーなのだ。何となくだけど。
「じゃあ行ってきます!」
スラスタの出力を最大にし、私は山を飲みこんだ巨大な闇にフルダイブした。
なんだろう、これは――水の中にいるようで、でも身体はとても軽い。言うならばこれは――
『機体操作を重力下機動より宇宙機動に切り替えます』
「あ、やっぱりこれ宇宙と同じ感覚だったんだ……」
地に足のつかない移動。光の見えない空間。レーダー類は雑音ばかりを吐きだし、ほとんど何があるのか認識できない。だが、ISセンサーの恩恵か、なんとなく周囲に物体があることだけは分かる。これは、恐らく樹木や地面、それに岩などだ。山の表面から影
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