アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
第九話 思い出される過去
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葉に頷くソレイユ。それを遠巻きに見ていたアスナは二人がしていることに疑問を感じて尋ねてみた。
「二人とも何してるの?」
「リズっちに頼まれたものを渡してたんだよ」
「頼まれたもの?」
「そっ。リズっちの手におえない入手難易度の高い鉱石とかをね」
「へぇー」
ソレイユの言葉に納得するアスナだったが、もう一つの疑問が浮かび上がってきた。
「でも、ソレイユ君は一人で大丈夫なの?」
「大丈夫だよ〜」
心配そうな表情で聞いてくるアスナに気の抜けた声でソレイユは答える。
そのためか、アスナが心配げな表情を一層濃くしたその時、身の危険を感じたソレイユはその場(入り口の延長上)から離れた。その直後、勢いよく扉は開かれ、小柄な影が涙声と共に突っ込んできた。
「リズざ〜〜〜〜んっ!!」
そして、入り口の延長上にいたリズベットは小柄な影の体当たりをもろにくらい、呻きながら床に押し倒された。もちろんここはアンチクリミナルコードが働く圏内のためダメージはゼロである。
「いたたたたっ。シリカ、いきなり危ないじゃない!?」
「だ、だっで〜」
引き離しながらお怒りになるリズベットだが、体当たりを食らわした影、シリカは啜り泣いている。それを見たソレイユの悪戯心が働いた。
「おいおい、リズベット。あんまり小さい子を泣かすなよな」
「ちょっ。違うわよ!あたしじゃないわよ!?」
ムキになって反論してくるリズベットを面白そうに見ているソレイユ。そんなソレイユに腹が立ったリズベットはソレイユにつかみかかろうとするが、それより先にルナがシリカの頭を撫でながら声をかけた。
「こんにちは、シリカちゃん。とりあえず落ち着こうか」
ルナの言葉を聞き、シリカは気持ちを落ち着かせる。そして、見知らぬプレイヤーがいることに気が付き再び慌てはじめる。
「あ、あの、その、えっと・・・」
「ん?ああ、はじめましてかな、≪竜使い≫シリカ君。俺はソレイユ。よろしくな」
「は、はい、よろしくお願いします、ソレイユさん!こっちは使い魔のピナです」
シリカの紹介に、シリカの頭の上にいたピナはきゅるっと一声鳴いて答えた。自己紹介が終えたところで、リズベットは先ほどのことを聞いた。
◆
「なるほどね、武器が壊れ、パーティーメンバーに迷惑をかけてしまいそのことに責任を感じてしまい、知り合いであるリズのもとに来る途中に我慢しきれずにああなった、と」
「はい、パーティーの人は問題ないって言ってくれたんですけど・・・」
「実際に死んでしまった時のことを考えてしまったわけか」
ソレイユの言葉に頷くシリカは再び目に涙をためはじめてしまったが、次のリズベットの言葉に真剣な表情で答えて
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