第3章 新たなる好敵手
第12話 遊雅の才能
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翔竜高校の生徒5人は、落ち込んでいない遊雅の様子に安堵しながら、再び森林散策を再開したのだった。
◇◆◇◆◇◆◇
「おい燈輝、さっきはああ言ったが、実際あいつ、そこまで強くなかっただろ?」
森を歩きながら、ACS生が燈輝にそのように声をかける。
燈輝は少しだけ間を置いてから、このように断言した。
「遊雅は強いさ。確かにさっきのデュエルで、俺はノーダメージの状態で勝利する事ができた。だが、あいつは決して、弱くない」
「そうは言うがよ……」
「お前も、1度戦ってみれば分かるさ。こんな事言ったら笑われるかもしれないが、さっきのデュエルは、全てのモンスターが、楽しそうに戦っていた」
「はぁっ?モンスターが楽しそう?おいおい、そりゃないだろ。ソリッドビジョンだぜ?」
「だからさ、戦ってみれば分かるよ。俺の言ってる事が」
「けど、仮にモンスターが本当に楽しそうに見えたとして、何でそれが強いに繋がるんだよ?」
「……俺は、『精霊獣』や『霊獣使い』達があんな風に……楽しそうに戦っているのを見た事がないんだ。だからきっとあいつは、俺が持っていない『何か』を、持っているのかもしれない」
「ふぅ……燈輝、俺はたまにお前の事がよく分からなくなるぜ。けどまぁ、お前がそこまで言うなら、次の練習試合、楽しみだな」
「ああ。実に楽しみだよ。来週までなんて待ってられないくらいにな」
これまでに咲峰 燈輝の笑顔を見た事がある者は、かなり限られている。
この場にいる2人と、そしてあと数人程度しか、彼の笑顔を見た事はない。
それほどに笑わない彼が、今、いつになく晴れやかな笑顔で笑っている。
それは南雲 遊雅と言う、彼にとってはとてつもない好敵手と出会えたと言う喜びと、その好敵手と、来週末に再び、素晴らしいデュエルが出来るだろうと言う期待から来る笑顔だった。
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