マブラヴ
0886話
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連か?
ともあれ、この辺で一度しっかりと釘を刺しておくというのは必要だろう。
そんな俺の思いを汲んだのか、映像モニタの中でエザリアは特に反論もせずに頷く。
『分かったわ、すぐに取り掛かる』
「そうしてくれ」
それだけを告げて、通信が途切れる。
「ふーん、随分と大きな手を打ったわね」
ソファへと戻った俺に向かってどこか悪戯っぽい笑みを浮かべつつ、そう告げてくる夕呼。
「さすがにこの辺で手を打っておかないと、これからもますます勝手な真似をされるからな。それで被害を受けるのが自分達だけなら自業自得だと笑っていられるんだろうが、それがこの世界の人類を巻き込んでの自殺ともなればそうも言っていられない。……ったく、何だってここまで暴走を始めたのやら」
そう呟くと、夕呼はどこか呆れた様な視線で俺を眺め、口を開く。
「あのね、中国の暴走の原因なんてあんた達に決まってるじゃない。シャドウミラーがこの世界に来る前は、正真正銘ギリギリのところで何とか現状を維持出来ていたから馬鹿な真似をする余裕が無かったのに、そこにあんた達が現れてこの世界の戦術機や戦車よりも格段に優れた兵器の輸出を始めた」
「……そうは言っても、今のところ提供しているのはリニアガン・タンクとガン・ルゥだけだぞ?」
「それでも十分だったのよ。確かに今はまだ戦術機はそのまま使っているわ。けど、その戦術機にしたって推進剤やCPU、メモリといったところで随分と継戦能力は上がっているし、重斬刀やアサルトナイフにしても、今まで使っていた物と比べると性能が段違いでしょ」
なるほど、そういう意味ではこの世界に余裕が出来た事が中国を暴走させる原因になったとも言えるのか。
「それに、いずれは例の機体も出すんでしょ? それを思えば現在シャドウミラーから色々と印象の悪い中国が暴走してもしょうがないわよ。それで暴走して欲しくなければもっと融通しろ……これ以上分かりやすい事はないと思うけどね」
そう夕呼が呟き、俺はその言葉に溜息を吐くしか無かった。
……ちなみに、エザリアの宣言から1時間もしないうちに統一中華戦線が先の宣言を撤回する事になる。
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