01 箱庭に集った四人の人外
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人様は普通の人間ではありません」
だろうな。上空4000メートルから落とされて生きている時点で、もう普通の人間じゃないのは決まっている。
「(つまり十六夜も久遠も春日部も、俺とは違えど特異な能力を持っているわけか)」
そう思いながら、再度三人を観察する。
俺とは違い三人から『魔力』を感じないところからすると、先ず魔法使いじゃないのは明白だろう。
だが十六夜から感じるエネルギーは、少し魔力のそれと似たようなものを感じるが、魔力とは違う……まぁ一言で言うと『異質』だな。実に興味深いことだが、追求するのは後々でいいか。
そして俺は再び黒ウサギの話に耳を傾ける。
「皆様の持つ特異な力は、さまざまな修羅神仏・悪魔・精霊・星から与えられた『恩恵』。
ギフトゲームとはその"恩恵"を駆使して、あるいは賭けて競い合うゲームのこと!
この箱庭はそのステージとして作られたものなのですよ!」
大げさに身体で表現しながら、黒ウサギは言い切る。
その中で疑問を感じた者が手を上げて黒ウサギに質問をし始めた。
最初に手を上げた久遠は、自分の能力を賭けなければならないのかについて。
春日部は説明にの中であった『主催者』についてだった。
その問いに黒ウサギは丁寧に説明して、最後に『コミュニティ』と呼ばれるグループに所属しなければならないことを説明した。
「―――と、以上が箱庭で生活するにあたっての必要最低限の説明です。
他に質問がある方はいらっしゃいますか?」
「「俺だ」」
俺と十六夜は同時に手を上げた。
「なんだ創生もか? だったら先に言ってもいいぜ」
「別にお前が言っていいぞ。たぶん同じことだからな」
「……じゃあ、一緒に言うか?」
「……のった」
俺と十六夜は黒ウサギの方へと顔を向けた。
「えっと、どんな質問でしょうか? できれば別々に言ってほしいのですが」
「なに、いたって簡単な質問だぜ黒ウサギ」
「つーかそれ以外に興味がない」
「……はい?」
頭に?のマークを見せながらこちらを見てくる黒ウサギに、俺と十六夜は不敵な笑みをみせながら、全く同時に、少しのブレもなく言った。
「「―――この世界は『面白い』か?」」
その言葉と共に久遠と春日部も黒ウサギを見据えた。
そして黒ウサギは少し間をあけた後、笑みを見せながら自信満々にその質問の回答を言った。
「――YES! 『ギフトゲーム』は人を超えた者が参加できる神魔の遊戯。
箱庭の世界は外界よりも格段に面白いと、黒ウサギは保証いたします♪」
その答えに満足した俺と十六夜は溢れ出る歓喜を堪えることができず、大声で笑った。
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