01 箱庭に集った四人の人外
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ええ、ええ、古来より孤独と狼はウサギの天敵でございます。そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは一つ穏便に御話を聞いていただけたらうれしいでございますヨ?」
「断る」
「却下」
「お断りします」
「10文字以内で答えるなら、聞いてやってもいい」
「あっは、取りつくシマもございませんね♪」
両手を万歳して降参のポーズをとる黒ウサギと名乗った美女。
すると何を思ったのか、春日部は黒ウサギの背後に行き、ウサギの象徴ともいえる長い耳を掴んだ。
「ちょ、ちょっとお待ちを! いきなり初対面で黒ウサギの素敵耳を引き抜こうとするのは、いったいどうゆう了見ですかぁぁぁ!!!」
「好奇心のなせる業」
「自由にもほどがあります!」
「へぇ、このウサ耳って本物なのか?」
「私も触ってみようかしら」
春日部の悪態から脱出して安心したのもつかの間、黒ウサギの耳は十六夜と久遠によって再び引っ張られてしまった。
「(なんつーか……餓鬼だな)」
そんな光景を見ながら、俺は一人そう思った。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
〜30分後
「はぁはぁ……あ、ありえなのですよ。学級崩壊とはきっとこのような状況を言うのに違いないのです……」
黒ウサギの耳を引っ張り続けて30分後、三人は飽きたらしく黒ウサギの耳を離し、傍に合った岩に座り込んだ。
とうの黒ウサギとはいうと、三人の悪態により疲れ切っていて地に手を置いて呼吸を整えていた。
「というかあなた! なんで助けてくれなかったのですか!? 何度も助けを求めたじゃないですか!」
すると黒ウサギはいきなり立ち上がり、俺にいちゃもんをつけてきた。
「助けるも何も、何度もこちらを見てくるだけで何も言ってこなかったじゃん」
「だから目で訴えてたんじゃないですか!」
「知るかそんなもん。口で言え、口で」
「一番マシだと思っていたのに実は四人の中で一番ゲスな人でしたよこの方!?」
それはお前の勝手な感想であって、俺が四人の中で最もマシな奴とは限らないだろ。
つーか、三人の中に混ざっていなかっただけでもマシな方じゃね?
「いいから話を進めろよ」
「うぅ……わかりました」
十六夜の言葉に少し涙目になりながら、黒ウサギは返事をした。
そして気を取り直した黒ウサギは、咳払いをして両手を広げて言った。
「ようこそ皆様、『箱庭』の世界へ! 我々は御四人様に『ギフトゲーム』の参加資格をプレゼントしよう思いまして、この世界にご招待しました!」
「「「「ギフトゲーム?」」」」
「YES! 既にお気づきかもしれませんが、御四
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