戦いの中で
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とが分かると俺を呼びつけた。
「どうしたんだ?」
セイバーの近くに駆け寄りながら言う。
「礼装を装備しろ」
何を考えているかは分からないが、とりあえず礼装を装備することにした。最初、どうやって礼装を出すのか苦労するも念じることで剣を出すことに成功した。
「よし、装備したな」
「一体何が始まるんだ?」
ふと疑問に思った事をセイバーに言ってみた。すると、呆れたと言わんばかりにこう返す。
「決まっているだろ。これから剣を教えるのだ」
そういうことか、と納得する。
「ところでセイバー、俺がこいつを持ってどうするんだ?素振りの練習でもするのか?」
「いいや、そうじゃない。これからお前はその剣でオレを斬ってもらう」
「ッ!?」
何を言ってるんだ。無抵抗のセイバーを斬りつけるなんてそんなこと出来る訳がない。そんな俺の気持ちを知ってか知らずかセイバーは言葉を続けた。
「言っておくが、オレも無抵抗ではないぞ。多少なりとも剣は使うが大体素手で戦おう。終わりはそうだな……オレの鎧にお前の刃を当てたらそこで稽古は終了ということにしよう」
そういうことなら安心した。一方的に斬りつけるのは俺も望まない。だが、セイバーが兜の向こう側からこちらをほくそ笑む様がどうしても浮かんでしまうのは気のせいだろうか。少しは剣を使うとは言え、素手で戦うとは俺に勝てる自信が相当あるということだ。
それはやっぱり悔しい。このまま馬鹿にされるのは悔しい。刀を持つ手に力が入る。
「分かった。けど、あまり俺を舐めるな。すぐにお前の鎧に俺の剣を当ててやるからな」
「随分と威勢の良いことを言うものだ。口先だけでないことを祈るぞ、マスター」
そう言葉を交わした後、俺はセイバーから距離を置いた。その距離大体二十五メートル。
この場が静まり返り、残るのは緊張した空気。俺は剣を持っていない方の手でゆっくりと柄を握る。セイバーもこちらに剣を構えた。あっちも準備万端のようだ。
「それでは……行くぞ!」
セイバーから放たれた言葉が開幕の火蓋となった。俺はすぐさま鞘から剣を抜き、セイバーに向かって走り出した。一方、セイバーも俺と真正面から戦う為、走り出す。
握る刀に力を込めながら目の前まで来ているセイバーに狙いを定める。幸いなことに向こうはまだ構えてすらいない。ちょうど刀の攻撃範囲内にも収まっているし狙うなら今だ。そう思い、俺は剣を縦に勢いよく振る。
しかし、それが彼女に当たることはなかった。
「ッ!?」
俺の振り下ろした刀は彼女の鎧の寸前の所でガチャガチャと音を立てながら止まっていた。最初、何が起きたかは分からなかったが自分の腕の感触ですぐに理解した。
俺の腕にはガッチリ
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