戦いの中で
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決意の篭った言葉をセイバーにぶつける。少しの沈黙のあとセイバーは俯いた。彼女なりに迷っているのか、何も言わない。
「セイバー?」
「………なよ」
すると、セイバーがボソボソと答えた。が、なんて言っているのか聞き取れずなんて言った?ともう一度尋ねる。もう一度か細い声でセイバーが言うが何言っているか全然分からない。もう一度お願い、とお願いする。すると、火山の溜まりに溜まっていた火山の噴火のようにウガー!!とセイバーが吠えた。
「何度も言わせるな!!良いか?!その言葉忘れるなよ!!」
ハァハァと呼吸を荒立てるセイバー。初めの方はあっけらかんとしていた俺だったがすぐに言葉の意味を理解した。体から喜びが湧き上がり、そして。
「よっしゃぁぁぁ!!」
遂には声を上げてまでいた。嬉しかった。やっと誰かのために戦えることができる。歓喜に満ちている俺とは対照的にセイバーのテンションは冷めていた。
「どうしたんだよセイバー?」
「お前について一つ腑に落ちない点がある」
「……なんだよ」
「何があった?」
セイバーの言っていることがよく分からない。何があった?と聞かれては逆に何が?と聞き返す他ないだろう。俺は首を傾げそう彼女に言った。
すると、
「なぜお前自ら戦おうとする?危険をおかしてまで戦う意味はあるのか?」
セイバーの言っていることは正論だ。確かにわざわざこっちが危険を承知で戦う義理はない。それなのに俺が戦おうとする理由は一言で言うなればただの正義感だ。
女の子が傷ついて倒れる様を見ていられないと思ったのが一番の理由だ。しかし、これを本人の前で言ったら殺されること間違いないのでここは…。
「さっきも言った通り自分一人だけが傍観してるのが嫌になったんだよ。それに、セイバーの強さに憧れて俺も剣を使いたくなったていうのもある」
ということにしよう。
「やっぱりお前は莫迦だ。まったく……嫌なマスターと契約してしまった」
そこで大きな溜め息を吐くと、セイバーは剣を引き抜いた。
「行くぞマスター。時間が惜しい」
「お、おう!」
セイバーが前を歩き始め、俺もその後に続く。
今俺たちがいるのはアリーナの一角にあるフロアである。このフロアは他のエリアと違ってえらく自然的な造りだった。床はちゃんとした土で作られ、周りには岩場のような物が設置されている。背景こそは変わらないがここだけ特異な場所のような気がした。
なぜこのような場所にいるかは分からない。ただセイバーの後ろを付いて行ったらここに辿り着いていたのだ。
当の本人は周囲をチェックして、安全かどうかを確かめている。
それから数分後、彼女はここが安全だというこ
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