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ルドガーinD×D (改)
二十六話:人探しも大変だよな
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バルパーが祐斗をまるで道具でも見るかのように見つめる。
そして、何やら合点がいった様子で口を開く。



「もしや、君は『聖剣計画』の―――モルモットの生き残りかね?」



祐斗を抑えていなければ間違いなく俺がバルパーを殺しに行っていた。
それだけの事をあいつは言った。正直、このまま俺の腕の中で暴れまわる祐斗と一緒にあいつを切り刻んでしまいたい。でも、それだと相手の思うつぼだ。

リドウが居なければ何とでもなるだろうけど居るから下手には動けない。
あいつも何だかんだ言って正史世界に四人しかいないハーフ以上の骸殻能力者だからな。
それにしても…もし、バルパーの発言もリドウの計算のうちだとしたら恐ろしい奴だ。
まあ、恐ろしく憎たらしいのは今もなんだけどな。


「僕達をモルモットだなんて言うな! この魔剣はあなたにさんざん利用され殺された同士の無念の固まり! だからこそ僕はあなたをこの剣で―――殺す!」


「ふん、せいぜい吠えていればいい。私は計画があるので引かせてもらうよ、行くぞ」


祐斗の悲痛な叫びを聞いてもバルパーは興味が無いといった感じに鼻を鳴らして背を向けて歩き出す。あいつ……人を何だと思っているんだ!
思わず、そう思った瞬間にリドウと目が合う。するとあいつはニヤリと笑い口を開いた。


「ルドガー君。今、人を何だと思ってるんだって思っただろ?」

「……っ!」

「でもさあ、何の罪のない人を大量に殺してきた奴がそんなこと思うのはおかしいよなあ?
 ああ、でもルドガー君はそんな人じゃないか」


リドウの言葉に何も言い返すことが出来ずに俯く。
そうだ……俺達にはそんなことを思う資格は無い…っ。
分史世界を偽物として壊し続けて来た俺達には…!
でも……そうだとしても、許せないことはある!
俺はキッとリドウを睨み返す。そのことに少し驚いた顔をするリドウ。


「前に会った時よりもいい顔してるな、ルドガー君」

「ああ、俺は決めたんだ。もう、迷わない」

「あっそ、じゃ、また会おうぜ」

「待て! 何が目的だ、リドウ!」

「そいつは後のお楽しみってやつだぜ」


目的を聞こうとしたがリドウは後のお楽しみとだけ言い残して背を向けて手を振る。
そしてその直後にフリードが閃光弾を投げつけて俺達の目くらましをする。
しまったな……二度も同じ手に引っ掛かるなんてな。それにしてもリドウの奴何が目的だ。

どうせろくなことじゃないんだろうけど……ただ、誰かに認められようとしているのは変わっていないんだろうな。そのために平然とあくどい事をするから嫌いなんだけどな。
そんなことを考えながら一端家に戻ろうと思い祐斗を掴んでいた腕を離しコキコキ音を立てなが
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