二十六話:人探しも大変だよな
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し癒されながらもイリナが言った裁きという言葉について考える。もし、リドウが裁きを受けるのなら俺も受けないとダメだろうな……。
同じ罪を背負っていると言っても過言じゃないしな。
まあ、俺は裁きなんてものは受ける気はない。
俺は生きて幸せにならないといけないんだ。それこそが俺に出来る唯一の償いだからな。
「ルドガー・ウィル・クルスニク……もう一度聞こう。君は何者なのだ?」
不意にそれまで黙っていたゼノヴィアが声を掛けてくる。
その顔は真剣そのものだ。目に至っては抜身の刃のような鋭さを放っている。
俺のことはイッセー達が来たときにオカルト研究部の部員だって伝えて悪魔と関わりがあるっていうのは教えたから、そういうことが聞きたいわけじゃないんだろうな……。
多分、俺の正体を知りたいんだろうな……。大きく深呼吸してから口を開く。
「なあ……ただ愛する一人の為に全てを壊すのは…罪なのか?」
「難しいことを言うな……」
「もし罪だとしたら、俺は―――大罪人さ」
世間一般から見れば間違いなく俺は大罪人だろうな。でも、それがどうした?
そんな下らない評価を気にして大切な者を失う気なんて俺にも全くと言っていいほどない。
大切な者を守る為ならいくらでも汚名を被ろう。罵倒を受けよう。投げつけられる石も全て受け止めよう。
だが、彼女を傷つけようとするのなら俺は一切の容赦はしない。
もし、世界が彼女を傷つけようとするなら俺は再び―――世界を壊そう。
邪魔する物は全て壊す、それが俺にとっての守るという行為であり
ルドガー・ウィル・クルスニクにとってのアイデンティティだ。
「っ!? 大変、ルドガー、ゼノヴィア! イッセー君達が敵に遭遇したみたい!」
「分かった、直ぐに行くぞ。ゼノヴィア」
「あ、ああ……そうだな。ルドガー・ウィル・クルスニク……これ以上は聞かないよ」
携帯を片手に持ったイリナが今しがたイッセー達が敵との戦闘を開始したと伝えて来たので話を切り上げてすぐに走り出す。ゼノヴィアは俺の答えに少しの間、茫然としていたがすぐに気持ちを切り替えて一緒に走り始めた。ここで深く聞いて来ないのはありがたいな。
出来れば話したくはないことだからな。さてと……居るんなら待っていろ、リドウ。
イッセー達が戦闘を行っていると思われる場所に着くとすぐにはぐれ神父らしき奴らをまるで無双ゲームのようになぎ倒していく小猫の姿が見えたので一安心する。
べ、別に後輩が怖くて近寄りがたいとかは思ってないからな。
その姿を見て若干引き気味なイッセーと匙なんかも別に目に入っていないからな。急いで祐斗の姿を探して辺りを見回しているのも心配なだけであって現実逃避なんかじゃない
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