00 えっ、俺って問題児だったの?
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めていった。
それにより世界は平和になり、誰もが彼を『神』として、『究極の魔法使い』として、『魔法使いの真祖』として敬うようになった
――そして、今に至る。
「……はぁ、暇だ」
覇気のない声音で同じようにそう呟く青年、もとい『オーディン』。
「あ〜、何かい同じこと言ったんだろ俺……たしか百年ぐらい前からずっと言っているような気がする」
なんで『究極の魔法使い』『最高神』『魔法使いの真祖』『戦と死の神』と呼ばれている俺がこんなつまらない日々を送っているんだ?
……つーわけで、少し自己紹介させろ。暇つぶしも兼てな。あっ? さっき聞いたからもういいって?
だが断る。俺は自己紹介をするぜ。
俺の名前は『オーディン』。この世界では『究極の魔法使い』『最高神』『魔法使いの真祖』『戦と死の神』とか呼ばれているが、まぁ種族はごく普通な『人間』だ。
あっ、今『なんで人間』なの? とか思った奴がいるだろ?
なに、至極簡単で単純なことだよ。
まず俺たち魔法使いっていうのは種族名じゃなく、言葉の通り『魔法を使える者』という意味で、魔法使いはみんな『人間』だ。
だから俺は別に神様みたいな偉い存在ではない。ただこの世界で『一番強い』から、神様みたいに扱われているだけだ。
「まっ、そのおかげで暇なんだけどな」
強大すぎる力は人を孤独にする――アニメとかでよくあったセリフだったけど、実際にその通りだ。
だーれも相手にしてくれない。みんな揃ってオーディン様オーディン様って……お前ら全員滅ぼすぞって言いたくなる。そしたらみんな慌てふためいて面白くなりそうだし。
……まっ、やらないけどな。
たとえどんなに暇でも、俺や人々が渇望した平和なんだから、そう簡単に壊してたまるかよってんだ。
「でも、暇なもんは暇だ。これは譲れない」
清々しいほどの青い空を見ながら、俺はため息混じりで苦笑した。
「「あー、暇が売れたら人稼ぎできる自信があるわ(ね)」」
……今絶対に誰かとハモったわ。どうやら俺の他にも同じことを考えている奴がいるそうだな。
会ってみたい、そして話あいたい。そしたらこの暇すぎる現状も少しはマシになるはずだ。
「まっ、それもできるはずがないか」
どこの誰かも知らないのに、探す方法がないからな。
「もう考えるのも疲れたし……ねよっ」
最後に盛大なため息をして、俺は目を閉じて寝ようとした。
「……ん?」
しかし、俺のその行動は"嬉しいことに"邪魔された。
なぜなら俺が目をつぶろうとした瞬間、空から一枚の『手紙』がひらひらと降ってきたからだ。
「手紙? なんでこの空間の中に?」
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