第010話 苦渋のセンゴク
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方を向いていた。
「また一つ良い事を学んだんだよ」
「痛みは大事なんだよ〜♪」
「‥‥‥‥‥‥‥‥はぁ」
二人の言葉にジョンは生返事しかできなかった。
「それより、あっちには監視はほとんどなかったぞ?」
「向こうにもじゃ」
突然、後ろからカイエンに声をかけられて三人はやや驚いた。
ジョンはすでに見えていたらしく、あまり反応しなかった。
そして、三人は後ろを振り返って彼の顔を見た。
「本来ならもっと多くの監視がいてもおかしくないんじゃが
何故か向こうの方にはニ、三人ずつしかおらんかった」
カイエンは指で廊下の曲がり角を指した。
二、三人といったら通常の監視と同じ状態である。
「おれたちを逃がすつもりなのか?」
「さぁ?博士は私たちとは思考がまるで違うからねぇ」
カツコは首をすくめた。
「むしろ、何かないとおかしい。戦国はそういう男だ。
最後まで何を考えているかわからんからそこは注意しておくように」
カイエンは全員に呼びかけた。
全員はそれぞれ返事をした。
「とりあえず、今は先を急ごう」
その提案に賛成らしく、全員は立ち上がって歩き始めた。
**********
ー監視室 地下2階 中枢部ー
「彼らは今どこにいるんだい?」
戦国は室内の職員に質問した。
「現在、地下5階の階段を経由して、地下4階まで来ています」
「″PHIS″の計算上はあと30分程でここの階に来ると予想されています」
デバイスの前に座っていた職員たちが答えた。
戦国はしばらく沈黙していた。
「‥‥‥‥‥‥‥‥多分その判定は覆るよ」
それを聞いた職員の一人は訊いた。
「戦国博士が作り上げた″PHIS″に何か欠陥でも?」
「まぁ、所詮はリサイクル製品だからね‥‥‥‥‥ぼく特製の。
欠陥というよりも、まだ性能が低いのさ。そこの所は後々手直ししていくよ」
ズズズ‥‥‥
戦国はそう言いながらコーヒーを啜った。
「‥‥‥‥‥‥‥‥苦い」
そうつぶやくとミルクと砂糖を取り出して加えた。
置いていたスプーンでそれをゆっくりとかき混ぜた。
そして再びコーヒーを啜った。
ズズズ‥‥‥
「‥‥‥‥‥‥‥‥やっぱり苦い」
彼は渋々コーヒーを飲み干すと
空のコップをコースターの上に置いた。
静かな部屋の中にカチリという音が響いた。
「こんな苦いコーヒーをわざわざ飲む人の気持ちが分からない‥‥‥‥‥‥‥」
彼はコップに付いた黒い液体の茶渋を眺めながらつぶやいた。
戦国は甘い物が好物なので、苦いコーヒーは苦手だという。
「コ
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