八十一 復讐者
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!なりません!!」
猛烈な勢いで攻めてくるサスケを迎え撃ちながら、白は耳を疑った。すぐさま却下するが、ナルトは変わらず眼で促してくる。背後に向かって白は必死の形相で懇願した。
「彼は貴方を殺すつもりですよ!!いくらナルトくんの頼みでもこればかりは……ッ、」
雷が何枚目かの鏡を貫通した。ナルトに気を取られていながらも、白は更に片手で印を結ぶ。
瞬時に展開した数多の鏡がサスケの雷を阻むかのように立ちはだかった。
「チィ…ッ!」
新たな鏡の出現にサスケが舌打ちする。強固な鏡をようやく突破した矢先に現れたそれらは今までの比じゃないほど固い。難攻不落の城の如き頑丈な鏡に、サスケは憤る。
【千鳥】は体術のみを極めた上に肉体活性による高速移動を併用し、相手目掛けて突進する術。手だけに一点集中させたチャクラは目に見える電撃となり、最も威力のある突きだが、一度突いたら方向転換は難しい。
しかしながら今のサスケには何も見えていなかった。現状も、目の前に佇む邪魔な鏡も、白の存在も何もかもが彼の眼には映らなかった。
サスケの瞳にあるのは、憎き仇――――うずまきナルトのみ。
「邪魔だぁああァア――――――――ッ!!」
一度体勢を整えるなどいう思考にも至らず、ただ一直線に攻撃する。自分の眼前にある障害物―――白と鏡の排除そしてナルトの死、それだけを望んでサスケはチャクラを込めた。
バチバチと迸る雷が、サスケと白の間にある鏡に反射して周囲の木々をも青白く光らせる。
白に庇われるこの状況をナルトは冷静な眼で眺めた。やがて小さく溜息をつく。
「……仕方ないな…」
そうして、彼はおもむろに人差し指で鏡に触れた。
刹那、あれだけ固かった鏡が全壊する。
サスケがどれだけ攻撃しても罅一つ入らなかった鏡が全て、一斉に割れた。粉砕された鏡の破片が瞬時に水へ戻り、雨となってその場に降り注ぐ。
いきなり目の前の障害物が消えた事でサスケが踏鞴を踏む。そのままサスケの意志とは関係なく、【千鳥】が勢いよく白に迫った。だがそれより先にナルトが動く。
己の術が破られた事よりも、後ろにいたはずのナルトが何時の間にか目の前にいる事実に、白が眼を見張った。青白き雷光の中、白き羽織が赤く染まりゆく。
白が声無き叫び声を上げた。
「―――――――ッ!!」
一方のサスケも愕然と相手の身体を突いた自身の腕を見つめた。指先から滴る赤を驚愕の表情で見下ろす。
ぽたた、と円を描くソレは彼らがいる大木の枝に暗紅色の花を咲かせた。
「………サスケ……」
呆然と立ち竦む白とサスケを我に返らせたのは、彼の小さき声だった。
「それじゃあ俺は殺せないよ」
瞬間、サスケの身は吹き飛んだ。勢いよく弾き飛ばされ、背
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