第七十三話
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に反応し、キリトとリーファが守護戦士たちの前から退いた。突破ではなく足止めが目的だったとはいえ、大量の守護戦士を防ぎきっており、その二人が退いた為に一気呵成に守護戦士がなだれ込んでくる。……しかしその頃には、彼らの運命は決まっていた。
「フェンリルストーム、放てっ!」
「ファイアブレス、撃てーーっ!」
轟音。チャージを終えた二種族の必殺技が火を噴き、キリトとリーファがせき止めていた守護戦士たちを壊滅させる。
ドラグーンから放たれたファイアブレスは、支援に使われていた飛竜の火炎弾の比ではなく、十本の炎の柱が突き立ったかと思えば、数え切れないほどの火球に分裂してそれぞれが爆発を起こす。その爆発がまた新たな爆発を呼び、爆発する敵がいなくなるまでその炎が止むことはなかった。
そしてその爆発に、フェンリルストームと呼ばれた、シルフの軍勢が放った一撃が加わった。その長剣から、まるで名のある聖剣の奇跡のような雷撃が現出し、神の裁きであるかのごとくその雷撃は寸分違わず守護戦士を引き裂いていく。
二種類の閃光が世界を包み込んだ後、残ったものは何もなかった。あれだけ虫のように溢れていた守護戦士どころか、もはや塵一つとしてそこには残っていなかった。
「――行けぇ!」
その光景にほんの一瞬目を奪われていたが、サクヤの一声で目を覚ます。守護戦士を全て消し去ったとしても、おそらくあの敵に上限はない。再び同じ数だけ復活するより早く、キリトにリーファ、レコン、俺やシルフとケットシーの軽装戦士部隊は、力の限りその翼を翻すと、頂上の天蓋に向かって飛翔する。
すぐさま守護戦士が再出現するものの、スピードに乗った機動部隊を捉えるには出現が遅く、出現と同時にもはやそこには誰もいない。それでも食い下がってくる守護戦士には、後方支援隊の飛竜の火炎弾や、ドラグーンのブレス攻撃が炸裂し焼き尽くされていく。
「ど……けぇぇぇぇぇ!」
一発の弾丸のように突き進む機動部隊の先端にいるのはキリトであり、最速のスピードのまま二本の剣が大剣持ちの守護戦士をあっさりと切り裂いていく。一太刀で三体の守護戦士を蹴散らし、さらに出現する三体の守護戦士をもう一方の剣の一太刀で切り裂く、その繰り返し。キリトが前方の敵を倒すことに集中出来るように、弓矢による攻撃をしてくる守護戦士は、俺とリーファによって排除して回っていた。
もはや誰にも止めることは出来ない。そんな状況の中、機動部隊が天蓋に近づいた瞬間――ジジジ、という音がした。またもや守護戦士が出現するのだろう、とさして気にも留めずにおいた時、新たなガーディアンが出現した。今までの鎧を纏った大剣か弓矢を持った守護戦士ではなく、巨大な蜘蛛のような姿をした……モンスターだった。
その蜘蛛の姿
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