第七十三話
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思った瞬間、当然のごとく消えてしまう。しかし、もう弓矢を放つ守護戦士はおらず、代わりにいたのは黒と白の二本の剣。
「流石リズ、いい仕事だな」
ちょっと軽いけど――などとキリトは少しこぼすものの、まるでアインクラッドの時のように、自在に黒白の双剣を見事に操ってみせていた。
「ショウキさん、右!」
レコンの声に反応して右を見ると、やはりというべきか守護戦士が弓矢を持ち、間違いなく俺の頭に狙いをすましていた。あの場所に守護戦士がいたとは思えないし、出現した気配もしなかったが……と思いつつ、そのヘッドショットを首を傾けて避けると、返礼としてクナイを放つ。
クナイは、ギリギリ守護戦士に刺さった程度で大したダメージはなく、守護戦士は陽炎のように揺らめいて背景に溶け込んで――いく前に、俺のクナイが目印となったのか、飛竜の火炎弾の餌食となり消滅した。
「ユイちゃん、皆に伝えて! ガーディアンたちにステルススキル持ちが紛れてる!」
自らもステルスが得意なこともあってか、今の守護戦士からそう見破ったレコンがユイに伝令を頼む。しかし、全く姿が同一のモンスターの中に、姿が消えるものが混じっているとは……
「……開発者も趣味が悪いな!」
そう吐き捨てながら、キリトの背後にいた大剣持ちの守護戦士にドロップキックを食らわせると、キリトが後ろも見ずに片方の剣を守護戦士に突き刺してトドメをさす。もう片方の剣は前方からの矢を切り払っていた。
しかし、こうしていくら数を減らしたところで埒があかない。確かに、守護戦士一体一体の強さはそうでもないものの、とにかくその出現率からの数が違う。
「ショウキくん!」
側面に出現した大剣持ちの守護戦士の挟み撃ちを受けそうになったが、弾丸のようにすっ飛んできたリーファの突きによって片方の守護戦士が四散し、おかげでもう一方の守護戦士を斬り伏せることに成功する。
「悪い、助かった……だけど、回復役は大丈夫なのか?」
作戦ではリーファとレコンは回復やサポート、魔法攻撃役ということだったが、リーファが前線にきてレコンのみで大丈夫なのだろうか。
「それは他のプレイヤーもいるから大丈夫! それより、囮役が足りないよ!」
それだけ言い残すと、リーファは後方に向かう守護戦士を見つけてそちらへ飛翔していく。ALOのモンスターは後方での回復役より、前線での攻撃役を狙うと聞いていたが、どうやらこの守護戦士は違うらしい。後方支援隊の方にもその物量は向かっており、確かに飛竜の砲撃支援が自衛のためだろう、徐々に減ってきている。
「くっ……!」
そう考えてばかりいる暇はない。攻撃を避ける視界の端に、守護戦士に囲まれているドラグーンの姿が写り、今戦ってる守護戦士に牽制
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