第七十三話
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ないか?」
対する俺たちへの役割は遊撃隊。――要するに『勝手に暴れろ』ということか。
「なーに言ってんの、よ!」
そんな心にもないことを言ってみると、後ろにいたリズに背中を叩かれる。リーファとレコンは俺やキリトにサポートとして同行するが、リズだけはこの後方支援隊の護衛として残ることにしていた。エアレイドの練度からしてリズでは守護戦士とは戦えない――という彼女本人の希望として。
「ほら、行ってきなさい!」
「……ああ!」
代わりに背中を押してくれる。勝利の女神のような声援を受けるとともに、金色の翼を展開する。しかし、やはり金色は苦手というか……派手すぎる。
「行くぞ!」
などと、くだらないことを考えながら、キリトの号令の下四人で飛翔する。正直、エアレイドという点では俺にも自信はないが、飛翔速度ならば少しは自信がある。ここに来る前にプレイヤーに襲われたおかげ、となると皮肉だが、少しは自分なりのエアレイドの心得もある。
……まあつまり、足手まといにはならな――いや、キリトを頂上まで送り届けるぐらいは。……まあ、キリトならばそんな手助けも必要ないだろうが。
「右側から正面まで、五秒後に守護戦士が出現します!」
キリトの胸ポケットからユイのよく通る声が響き、その五秒後に右側から俺たちを囲むように守護戦士が出現する。出現した瞬間、右側にいた守護戦士が飛竜の火炎弾で消滅したが、正面の守護戦士が弓矢をつがえる。
「キリトくん、ショウキくん、強化いくよ!」
キリトと平行に飛んでいたリーファが、スピードを抑えて俺たちの背後につく。レコンとともに俺とキリトの強化が済まされると、俺たちは守護戦士と相対する。無数の矢が同時に俺たちへ放たれると同時に、俺はスピードを上げてキリトの前に立つ。
「……せい!」
日本刀《銀ノ月》を勢いよく鞘から引き抜くと、その風圧によって矢の勢いを減じさせるとともに、矢の中ほどからバッサリと斬り捨てる。そのまま、次の矢の発射準備をしようとしている守護戦士に向けて飛翔しようとした瞬間、目の前に新たな守護戦士が出現する。
「なっ……!」
新たに出現した守護戦士は、弓矢ではなく大剣を持った近接戦型だった。驚愕の言葉とともに、守護戦士の大剣が俺に向かって振り下ろされる――前に、反射的に放った前蹴り……要するにケンカキックが守護戦士の腹を直撃し、怯んだ隙に返す刀で守護戦士を横一線に両断する。
しかし、その間にはもう弓矢を持った部隊の次弾装填は終わっており、またもや一斉に放たれた守護戦士の矢を、切り裂いた守護戦士の上半身を盾にする。なまじ身体が巨体なばかりに、ドスドスドス、と守護戦士の上半身に矢が突き刺さっていく。
これはいい盾か――と
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