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仮面ライダー真・智代アフター外伝
四話「とも」
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気な少女に悍ましい姿をさらしてしまったのだ。俺も、心の底から傷ついてしまう。

「シン、私からともへ事情を説明しておく。お前は……戻って手当てを受けるんだ?」
「ああ……」
おそらく、智代がともへ事情を話してたって、何の意味もないとおもう。しかし、あのまま放っておくわけにもいかず、騒ぎにならないようにうまく説明しないと。
その後、俺は智代と共に施設へ戻った。施設長が血だらけになった俺を見て驚いたが、そこらへんは適当な理由を付けて誤魔化した。
「とも……私の話を、聞いてくれないか?」
「いや……一人にして?」
「とも……」
智代は、しばらくたってともの部屋へ行ってみたが、ともは鍵をかけて、誰とも会いたくないと言い張って泣いていた。
「シンおじさんのことなんだが……」
「……」
しかし、布団にもぐって両耳を塞ぐともには何を言っても聞いてくれなかった。
「……とも? これだけは言わせてくれ? おじさんは…・・・・『お化け』じゃない」
「……?」
僅かに聞こえた智代の一言が、ともの目を丸くさせた。
「言いたのはそれだけだ。じゃあ、お休み……」
そう言って、智代はともの部屋から離れて行った。義母が最後に発したその一言が、妙にともの心に沁みついた。
――わかってる。智代ママの言うことはわかっているのに、でも……どうしたらいいか、わからないの!
今の叔父と、どう触れ合い、どう接していいのか、そしてあの恐ろしい姿を受け入れることができない事実に、ともは苦しんだ。

「当分、口をきいてくれないだろうな……?」
通路を歩いてため息をつく智代の前に、「よう?」と、表情を曇らせながらシンが出てきた。
「シン……?」
「智代……」
しかし、シンは浮かない顔をしていた。それは当然であると智代もわかってはいるが……
「どうした?」
「今日、お前が言った『菅原』ってやつのことだが……」
「菅原、そうだな? 私が言っていたな……?」
「俺の記憶に関係する人物なのか? でも、どうしてそいつがあんな化け物に?」
やや、感情的になる彼に智代は落ち着いて話した。
「落ち着いて聞いてくれ? とりあえず、別の場所へ行こう?」
智代は、俺を連れて休憩室の広間へ向かい、そこでソファーに座りながら彼女の話を聞いた。
菅原陽平、俺の友人らしく始めは不良だったが、現在は平凡なサラリーマンとなって生活を送っている。そこまでが、智代が知っている情報だ。その後どうなったかは連絡が取れないらしい。
「菅原はな? 最初、お前と一緒に私に絡んできた男子だったんだぞ?」
「ほお……?」
「それでな? いろいろとバカなことをやっては騒ぎを起こして……でも、お前との絆はとても深かった……」
「だが、それがどうして……?」
「わからない。ただ、あの会社が関
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