暁 〜小説投稿サイト〜
仮面ライダー真・智代アフター外伝
四話「とも」
[4/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
染まっていた。
「……!!」
シンは、身構えしてあの化け物の姿へと変身する。肌色の皮膚が引き裂かれ、肉が割れるようにメキメキと嫌な音を立て、そして額に二本の触覚が生え立つ。
「ウガァ……」
シンは、変身を終えて同じ姿となった青年をにらんだ。
「じゃあ……行こうぜ!」
青年がそう言い切った刹那、瞬間に青年はシンの懐へ迫り、彼の鳩尾へ拳を与えた。
「グゥ……!」
緑色の血を吐き出してシンは吹き飛ばされ、後ろの大木に叩き付けられた。
「くっくっく……その程度とは言わないよねぇ?」
「く、くそぉ……!」
起き上がると、俺はすぐさま反撃に出て飛びかかる。しかし、俺の攻撃は奴に軽々と交わされてしまった。
「それで実力かい? もっと僕を楽しませてくれよぉ!?」
背後から回り込んでからの蹴りで、俺は再び木へ叩き付けられる。奴との戦いには、圧倒的な差が存在した。このままでは勝てない。俺は……今度こそ死んでしまうのか?
「朋也!?」
ともの助けを聞いて、智代が血相を書いて駆けつけに来た。しかし、そこは既に修羅場となっている。
「智代! 危険だ、逃げろ!?」
「智代……?」
ふと、化け物の青年が智代へと振り向いた。そして、彼女を見た途端青年は変身を解いて元の若者の姿へと戻った。そんな彼の姿を智代は目を見開く。
「そ、そんな……まさか、お前が!?」
智代は、出す言葉を失いかけた。目の前の青年、髪は染めていなくとも学生時代から朋也の悪友として長い付き合いを得てきた友人、その彼が目の前で、それもあのよのような斯様な姿で彼女の前に現れたのだ。
「久しぶりだね? 智代……」
青年は彼女の名を口にした。
「春原……」
智代は、懐かしい名を口にする。
「どうして、お前が……?」
信じられない。夢でもているのだろうか? 智代は何度も目の前の現実を疑った。しかし、悪夢ではない。現実だった。
「……理由など、どうだっていい。今の俺は、人間じゃない……今の俺は、ただの化け物だ」
春原は、そう言うと木の上に飛び乗って姿を消した。
「ぐ、うぅ……」
起き上がるシンも、元の人間へ戻り、鳩尾を抱えながら起き上がる。
「シン! しっかりしろ!?」
智代は、苦しむシンを抱え起こした。
「大丈夫だ……それよりも、ともは?」
「おじちゃん……?」
「とも!?」
俺は、木の影から身を隠していたともを見た。そして、彼女の目が普通ではないことも知る。
「……」
ともは、泣きそうな顔で怯えていた。やはり、変身を見られてしまったのだろう。
「とも……」
俺が、ともへ手を伸ばそうとした途端。
「!?」
ともは、二人に背を向けて逃げだしてしまった……
「……」
智代は、そんな彼女の姿を見て、今にも泣きそうなほど胸を痛める。もちろん、あのような幼
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ