四話「とも」
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った時、パパと同じ匂いがしたから……優しくて温かなパパの匂い……」
「もういい、しゃべるな! 早く、智代のところへ……」
「パパ……ともね、とものパパが、明也パパで……本当に、よかった……」
「とも……!?」
ともは、血まみれになった手で、ふるえながらも俺の頬に触れた。
「幸せに……なって、ね……パパ、マ……マ……」
俺は、ともの最期の声を聴き、そして泣き叫んだ。その叫びが森中を響き渡らせる。これが、悲しみというものなのか、怒りというものであるのか、憎しみというものであるのか……
「とも……」
その後、ともは火葬されて実母の墓の隣に埋葬された……
俺たちは新しくできた墓の前で立ち、悲しみに暮れる智代との隣で、俺は一つ決意を固めた。
「智代……俺は行く」
「明也?」
「俺は……春原の望み通り、鬼守達の研究を、潰す!」
「明也!?」
「もう……俺と同じような目に合う人間を増やしたくないんだ!」
「し、しかし! 明也!?」
「すまん……!」
突如、智代の後頭部から鈍い音と共に、彼女の意識は次第に遠のいていった。
「と、明也……!」
後頭部の後ろ首に手刀を撃ち込まれ、智代は俺の足元に倒れた。
――とも、春原、お前たちの仇は俺が必ず……!
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