暁 〜小説投稿サイト〜
101番目の舶ィ語
第四話。超えてしまった境界線……
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…。

「っ!」

いざ、その先に進もうとした時に制服の胸ポケットとズボンのポケットに入れていたDフォンが熱を発した。
これはっ!

「一之江!」

「ビンゴですね」

胸の辺りを押さえながら一之江は鋭い視線をゲートの先に向けている。
おそらく胸ポケットにDフォンを入れているのだろう。
一之江ならすんなり入るだろうしね。
そんな事を思ったその時______

ゆらり、と視界が霞み……今までテーマパークだった景色が、入り口を境に変化していった。

それと同時に背中が以上に熱くなったのは、きっと気のせいだろう。うん……。

辺りを見回すと、そこは……。
テーマパークだった景色は、舗装されているものの、多少荒れたアスファルトの道路や草木が生えた道脇、いくつかある古い民家に変わっていた。
ここはもうテーマパークではない。
ならばここが『富士蔵村』なんだろうか?

「わっ、何これ?」

そんな事を考えていると、聞き覚えのある声がした。

「え、何? 村??」

声がした方を見るとそこには予想外の……いや予想通りに、驚いた声を上げている音央の姿があった。

どうやら入り口にいる音央にも見えているようだ。
彼女は戸惑いながらも、携帯電話を反射的に向けて村の方を撮影している。

おそらく俺達が中に入ればこの風景も消えるはずた。
後で事情は説明するとして、今はさっさと村の中に入ってしまおう。

「行きますよ」

「うん」

「って、ふ、2人共??」

静止するような音央の声を横に聞きつつ、一之江と共に俺は一歩を踏み出した。
その瞬間______。


俺達の視界は一変し……。












「えぇ??」



何故だか、音央の上ずった悲鳴が横から聞こえてきた。

「っ、音央??」

辺りを見渡すと、ワンダーパークのゲートはなくなり、音央の前にあった柵も消えていて、周囲は完全に『村』に続く道になっていた。


俺達は無事に村の中に入り込めたわけだが……。




……何で音央までいるのかな?




「どうして、音央まで?
まさか柵超えした……のか??」

「してないわ! っていうか、え、あれ、ほ、ほんとうに異世界の村に繋がったの??」

手に持つ携帯電話をブンブンと振り回しながら慌てる音央。
そんな彼女を見た後、すぐにやって来た方向を振り向いた。
そこにあるのは、やっぱりワンダーパークの入り口ではない。
あるのは、真っ直ぐに森に続く道路だけだ。

「あたし、入ってないのに!」

おろおろと辺りを見回す音央を見ながら何で彼女が一緒に来たのか原因を考えていると……。
それが目
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