マブラヴ
0885話
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、こいつをまともに相手にするだけ無駄よ。いつだってこんな奴なんだから」
夕呼がそう告げる。
取りなしの意味も込められていたのは間違いないんだろうが、それ以上に鎧衣と名乗った男にジト目を向けている。
「ほう? それで俺に盗聴器を送りつけようとしたのを無かった事にしろと?」
「そこまでは言わないけど……ただ、こいつにいなくなられると私の計画に色々と不具合が起きるのよ。出来れば穏便に済ませてくれないかしら?」
「……そうだな……」
確かに現在のシャドウミラーとしてはオルタネイティヴ4の方に肩入れしている。その状態で夕呼の戦力となっているこの男を処分するのは色々と不味い。
だが、ここで甘い態度を見せるのも後日色々と面倒な事になりそうではある。
さて、どうしたものか。
そんな風に考えていると、不意に服がクイクイと引かれる。
そちらへと視線を向けると、上目遣いで俺の方を見ている社の姿が。
「博士をいじめないで、下さい」
社にこう言われてしまうとな。
何だかんだ言って同じ超能力者同士というのもあるし、俺に懐いてきている社を無碍にも出来ない。
オルタネイティヴ4の事や、諸々を考えると……そうだな。
「なら、こうするか」
呟き、空間倉庫から鵬法璽を取り出す。
「鎧衣左近、とか言ったな。お前に対するペナルティを1つ与える。これから先、俺達シャドウミラーにとって不利益な行動を取らないと、お前自身の名に懸けて誓え」
「ほう? そうするとどうなるので?」
「それはやってみてのお楽しみだ」
そう返すと、鎧衣が俺の持っている鵬法璽に視線を向けつつ、小さく笑みを浮かべて口を開く。
「もし私が誓わない……と言ったらどうなさるおつもりで?」
「その時は、お前の代わりにお前の上司……そして所属する組織、国に相応の責任をとって貰うだけだ。まず最初は先程言ったように輸入や技術を停止させるといったところか。……いいか、勘違いするなよ? お前に出来るのは俺の提案を大人しく呑むか、あるいは予定通りに日本に対しての罰を与えるのを見過ごすか。……好きな方を選ぶんだな」
掌の中の鵬法璽を弄びながらそこまで告げ、後は鎧衣の判断に任せる。
もっとも、夕呼からジト目で睨み付けられてしまっては飄々とした鎧衣にしても何を言えるでもなく、やがて小さく諦めの溜息を吐いたのだが。
「分かりましたよ、香月博士のような魅力的な女性に言われてはしょうがありません。男というのは、美しい女性には弱いものですからな。……それで、何と誓えば良かったんですか?」
「お前が自分の名に於いてシャドウミラーにとって不利益な行動を取らないと誓えばいい」
その言葉を聞き、しょうがないとでも言いたげに鎧衣は口を開く。
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