マブラヴ
0885話
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「それと、香月副司令がアクセル代表をお呼びするようにと」
「……俺を?」
チラリと周囲に視線を向けると、イザークがA-01連隊のパイロットと戦術について話し合い、アウルとスティングは同年代のパイロットと何やら話している。
俺だけでいいのかという無言の問い掛けに、連城は小さく頷く。
「はい、アクセル代表だけだそうです」
「そうか、分かった。ちょっと待っててくれ」
そう告げ、BETAの戦い方についてA-01連隊のパイロットの男と話しているイザークへと近づき、声を掛ける。
「イザーク、悪いが俺は夕呼に呼ばれたからちょっと外す。この場は任せるが、いいか?」
「うん? ああ、わかった。お前はあの女と思う存分ゆっくりしてこい」
「……何か誤解してないか?」
イザークの言葉にそう呟くも、本人は全く聞こえた様子も無く要撃級の前腕に対する回避の方法と、それを攻撃に繋げる動きの連携についてを語り始める。
……まぁ、いいか。
そう告げ、連城に連れられて食堂を後にするのだった。
案内されたのは食堂からそれ程離れていない場所にある応接室。
準前線国家とも言える日本にしては随分と立派なソファやらテーブルやらの応接セットが揃っているところを見ると、恐らくはそれなりの立場がある人物の利用を想定している場所なのだろう。
……何故か部屋の中には誰もいなかったが。
それを見た連城は、小さく溜息を吐いてから俺に中で待っていて欲しいと告げ、部屋を出て行く。
まぁ、その理由はわかる。本来この場にいるべきだった夕呼を探しにいったのだろう。
そんな連城を見送り、ソファへと腰を下ろして約5分程。不意にこちらに近づいてくる気配を感じる。
最初は夕呼が戻ってきたのか、あるいは社が俺を察知してやって来たのかとも思ったが、そのどちらの気配でもない。かと言って夕呼を探しに出ている連城の気配でも無い。
半ば好奇心にくすぐられ、ソファに座って近づいてくる気配の持ち主を探っていたのだが……やがて気配の主は部屋の前で止まると、音を立てずに扉を開け……まっすぐにそちらを見ている俺と視線が合う。
そんな状況になるというのは向こうにしても予想外だったのだろう。あるいは、自分の気配の類を察知されているとは思わなかったのか。ともあれ、その人物は俺と目が合うと小さく驚きの表情を浮かべる。
もっとも、一瞬で驚きの表情は消え失せたのだが。
年齢としては40代程の中年の男で、トレンチコートに帽子を被り、どこか油断の出来ない雰囲気を発している。
「おやおや、君は誰かね? 私は確か麗しの香月博士と会う予定だった筈だが」
俺を見るなりそんな声を掛けてくる男。
その言葉使いはどこか飄々としており、何となく自分の裏表
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