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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第20話 ガンナーズ
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 無数の銅線と内臓機器のはらわたをぶちまける陽炎の機体が倒れるよりも早く、漆黒の機体が身を翻す。
 そして、マリダリン08の腹を掻っ捌いた勢いそのままに漆黒の不知火が反転し、右手の突撃砲から120mm砲を放つ。

『ちぃっ!!!』

 F-15MJの跳躍ユニットのロケットモーターを点火、急加速と強引な機動変更によりどうにかその一撃を回避したその時だった。


『―――なっ!?』

 120mmを回避した処へ襲いくる36mmチェーンマシンガンの斉射、劣化ウランの砲弾が跳躍ユニットに弾痕を穿ち、機体を爆散させた。
 120mm砲弾を回避しようとしたところでその回避先を読み切った射撃―――例え個であろうとも連携を極めれば多を圧倒することも可能。
 富士教導隊はアグレッサー部隊、日本帝国のどの部隊よりも連携に通じる最強の部隊で在らねばならない―――この程度、造作もなかった。

 機体の撃破を見届けた不知火の両脚が設置、地表の表面を石火を散らしながら削り、そして静止した―――その時だった。


『―――今だっ!!』
『油断したなっ!!!』

 漆黒の不知火に襲い掛かる二機のF-15MJ、先攻した二機のうち片方が撃破された時点で彼らは戦術を変更し、漆黒の不知火の撃破を優先と切り替えたのだ。

『戦力を小出しにし過ぎながって―――敵戦力の分散は兵法の基本、それを言わんでもやってくれるんやから世話無いが。』

 コックピットで呟いた彼は機体を操る。彼の操作を受けて漆黒の不知火が地を蹴り跳躍ユニットの噴射とともに跳ぶ、そして片方のF-15MJに対し、水平に機体を傾けたままの噴射跳躍、スライダーシューティングによる牽制を行う。

 それに対応し、回避しながらも二機のF-15MJが荒鷲(イーグル)の名に恥じない獲物を駆り立てる鳥のような機動で突撃砲を放ちながら漆黒の不知火を追い立てる。

 しかし、この近距離だというのに火箭を潜り抜ける不知火―――まさに本物の陽炎たる不知火を相手にしているように何時まで経っても、その砲撃が機体を捉えることが出来ない。
 焦れたマリダリン02は01の射撃に合わせ120mm滑空砲を放った。

『―――今ッ!!』

 その瞬間こそ、連携が乱れたその一瞬こそ致命のタイミングである。
 F-15MJ二番機、マリダリン02が突撃砲のトリガーを引いたその瞬間だった。漆黒の不知火は跳躍ユニットのスタビライザーと腕部・頭部の角度を一斉に変え、進行方向そのままに機体の半身を逸らした。

 120mm砲弾は不知火の寸差で通り過ぎ、同時にお返しと言わんばかりに漆黒の機体がその腕に持つ突撃砲の引き金を引いた。


『―グッ!?』
『02!?』

 吹き飛ぶF-15MJの片腕。120
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