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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第20話 ガンナーズ
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ていた部分が全体的に直線と直面を三次元的に組み合わせた複雑な形状を持っていることから、この機体はパッシブステルスを強化しているのが分かる。
 あと、細かい違いといえば足首から先が左右非対称なスポーツシューズのような形状に変更―――全体の印象としては、突起物の少ない欧州製第三世代機だ。

 ……その三次元多面構造はステルス特性だけに非ず、空力特性をわざと不安定化させそれを高度なオペレーション・バイ・ライト技術で制御することでさらなる高機動性と高効率稼働を為す。
 ―――このような市街地戦では効果が発揮されにくいが、やや遠距離からの戦闘となればさらに一方的な展開となったことは想像難くない事実でもあった。

『隊長……奴は囮…何でしょうか』
『恐らくな、そして捨て駒だとするなら最も技量の低い衛士、そうじゃないというのなら最も強い衛士が乗っているという事だ。』

『どうします―――』
 『―――奴には試金石になってもらおう。06、08は奴にフラットシザースを仕掛けろ、おそらく其処を狙って他の連中が攻撃を仕掛ける筈だ。02と俺は其処を叩く。』

『『『了解!!』』』


 如何に、旧世代機のF-15とはいえこのF-15は後期生産型の機能拡張型だ。跳躍ユニットの出力も向上し、セントラルコンピュータと機体信号系のバス幅も拡張され応答性(レスポンス)も向上、パルス・ドップラー・レーダーもアメリカから輸入したスーパーホーネット用のレーダーを改良したフェイズドアレイレーダーに換装されている。

 第三世代機に対しても機体性能ではそう負けて無い筈だ。―――そして一対二だ、如何に富士教導隊が化け物クラスの精鋭だろうと、行き成りやられることはないだろう。


『よし……行くぞッ!!!』

 マリダリン01の掛け声と伴に右肩に06と08の刻印をそれぞれにされたF-15MJが跳躍ユニットの噴射と伴に駆ける。


『―――』


 そして、ターゲットロックオン。荒鷲の名を冠する鋼鉄の巨人がその手に携える87式突撃砲を斉射した。
 だが、しかし――――


『なっ!?』


 左右から襲いくる砲火、それは漆黒の不知火の機体を撃ち砕く筈だった。
 けれども、その車線上には既に機体の姿はなく、螺旋の軌跡を描きながらマリダリン08のF-15MJに急接近していた。

『う、うぁぁ!?』

 すれ違いざま一閃。不知火の腕部のナイフシースが展開したかと思うと内蔵された戦術追撃刀が左手に握られており、そのままそのスーパーカーボンとは異なる質感の黒刃は戦術機の急所の一つ。
 戦術機の稼働領域を確保しつつも上下を接続するために必要最低限の装甲に反し、全ての配線が集中している腹を切り裂いた。


『08っ!?』
『―――』
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