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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第20話 ガンナーズ
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 ――――日本帝国軍 神奈川県厚木基地―――


 後ずさる鋼鉄の巨人、左肩に日の丸をペイントされたその戦術機は日本機にしては珍しく大型の膝モジュールを持ちつつも腕部にナイフシースを持たない。

 日本帝国が技術吸収と不知火配備までの国防空白期を埋めるためにライセンスを行ったボーニング社製第二世代戦術機、F-15MJ陽炎だった。
 世界中の戦地にて最強の荒鷲の名を関するその機体は今や、刈る者から刈られる物へと転じていた。

「くそっ!マリダリン03が食われた!!」
「ば、馬鹿な……こっちは中隊だぞ―――たった一個小隊でどうにか成る訳が…!?」

「ぐあっ!?」
「マリダリン04っ!?」

 F-15J三番機とエレメントを組んでいた04のマーカーが消失。―――状況開始から僅か三分で中隊総数の三分の一が既に撃破されていた。……残り八機。


「―――いくら向うが新型の第三世代機とはいえ、慣熟も終わっていない機体でこうも一方的とは……富士教導隊、噂通りの化け物かっ!?」


 辛酸を舐める隊長機―――今、自分たちを攻撃している不知火の改修型一個小隊と自分たちF-15MJ一個中隊の機体数の差は三倍。近代化改修された第二世代機は第三世代機に近しい戦闘力を保持している。

 正面対決に於いては突撃砲の砲門の数がモノ言う。如何に市街地戦で突撃砲のメリットが活かしにくいとは言え、こうも一方的とは信じられない事実だった。



『このままやられて堪るか……!!』
『隊長っ!!』

 下唇を噛むマリダリン01、其処にエレメントを組むマリダリン02の呼びかけに視線を巡らすとその複合センサーが捉えた視界に映る光景に目を向いた。

『単機……だと、舐めているのかッ!?』

 仲間の残骸の真横を通り過ぎる一機の不知火の系譜に属する機体―――漆黒の電磁波吸収塗料による塗装を施されたその機体は悠然と歩を進めてきている。
 その不知火の右肩には日の丸、左肩には組みあい角と桔梗の紋が目にえらく突く。

『――ただのマイナーチェンジ機ではないという事か、それとも中の衛士の能力が抜きんでているのか。』


 情報が少ない。中隊の仲間たちは交戦即座に撃破されたため情報が殆ど無いのだ―――しかも、相手が単機で的にしてくれと言わんばかりに近寄ってくる。…その真意も読めない。

『しかし、あの機体形状……まるで刺の少ないタイフーンかラファールだな――?』

 パッと見、腕部のナイフシースが大型化しつつも腕部本体と一体化するような形状に変更されている―――どの角度でレーダー波を受けても横に逸らせる三次元形状に加工されているのが見て取れる。
 それは頭部のマストセンサーは小型化し、位置がより中心よりに変更され更に丸みを帯び
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