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駄目親父としっかり娘の珍道中
第70話 雨の降ってる日には傘をさそう
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すなぁ。っとと、こんな事をしている場合じゃないんでした。急がないと」
「どうしたんすか? そんなに急いで」
「いやぁ、今日の朝に私の大好きな不思議魔女っ娘ととこちゃんが始まるんですよ。あぁいけない! 見逃したら大変だぁ。ま、こんな事もあろうかと録画してるんですけどね」
「あんた、やっぱりロリコンっすね」
「だからさっきも言ったでしょう―――」

 言葉を述べながら自分の部屋の入口のノブに手を掛ける。

「私はロリコンじゃなくてフェミニストなんです―――」

 自分自身のあり方を必至に論じながらマイルームへと足を踏み入れる。其処には武市自身が必至になって集め続けたととこちゃんグッズが所狭しと並べられており、テレビには丁度今放映したアニメが終わったらしく、その部屋の真ん中にて不思議魔女っ娘ととこちゃんの変身スーツを身に纏いテンション高めでポーズを決めまくるなのはの姿が其処にあった。

「あ!―――」
「あ!―――」

 互いに目と目が合うなのはと武市。そしてその後ろにてどの様に会話を切り出そうか困りだすまた子。一瞬にして場の空気が凍りだす。
 徐々になのはの顔が青ざめだしていく。まぁ、人様の家にて人様の持ち物を勝手に拝借したのだからそんな事したら怒られるのは必然的なのだから。
 だが―――

「す、素晴らしい!! まさかあの不思議魔女っ娘ととこちゃん変身スーツを見事に着こなす逸材がこんな近場に居たとは!」

 ところが、怒るどころかなのはと同じようにテンション右肩上がりに大いに喜びだす。
 そして、なのはの両手を硬く握り締めて大粒の涙を流しながら感動の意を示していた。

「有難う。この変身スーツを着こなす逸材を探し回っていたんですよ。まさかこんな身近に居たとは……有難う、本当に有難う」
「もしかして、これ叔父さんの部屋?」
「えぇ、そうですよ。私はこう見えて生粋のフェミニストでしてね。こうして人知れずグッズを集めていたんですよ」

 胸に手を当てて自信満々に語る武市。果たしてそれが世間的に自慢して良いのかどうかはこの際置いておく事にしておく。

「何自慢げに語ってるっすか? あんたなんかどっからどう見てもただのロリコンじゃないっすか」
「あ〜はいはい、年増さんは黙ってて下さいね。今大切な時間なので」
「一辺脳天撃ち抜いたろうか?」

 拳銃を手に取り銃口を向けるが武市は一向に気にせずになのはに夢中になっていた。

「ねぇねぇ、それじゃ叔父さんもととこちゃん好きなの?」
「勿論ですよ。このアニメは私のフェミ魂をくすぐる名作なのですよ!」
「フェミ魂とかフェミニストとか良く分からないけど、私もうれしいよ! このアニメが好きな人が居るなんて。それにこんなにグッズとか集めてるんだね?」
「むぉ
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