第70話 雨の降ってる日には傘をさそう
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な時であった。なのはの側頭部にとてつもない存在感を放つものがあった。その存在感を放つ物の方へと視線を移す。
其処には、白い服が立てかけられていた。ただの白い服ではない。何処となく見覚えのある服装だった。そう、これこそ不思議魔女っ娘ととこちゃんの戦闘服その物なのである。
ちなみに、そのととこちゃんの戦闘服となのはが魔導師化した際に着用したバリアジャケットが酷似している点については専門家に聞いてみて欲しい。
「こ……こここ、これははははぁぁぁ! あの幻の『不思議魔女っ娘ととこちゃん変身スーツ』巷のおもちゃ屋とかには絶対売ってない非売品で、前にお父さんに買って貰おうと何十回も頼んだけど結局買ってくれなかった幻の一品。それが、今目の前にぃぃぃぃ!」
最早キャラ崩壊通り越してあんた誰? 状態にまでなってしまった。こうなるともう修正不可能みたいだし、折角なのでこのままもう少し精悍してみるとしよう。
「き……着たい! 着てみたい! いや、でも待つんだよ私、これは明らかに誰かの所有物。それを私が勝手に着ちゃダメだよ常識的に考えて……でも、着たい! 出来ればこれを着てポーズとか決めたい! いや、だめだめだめ! そんなことしたらダメだって……でも着たい!」
欲望と理性の狭間で苦しみながら右往左往しだす少女。その様は余りにも不可思議かつ不気味な光景であった。まぁ、幾ら理性を働かせようと若干9歳児の理性などたかが知れているのであり―――
「もう我慢できない! 着たい、今すぐ着たい! こうなったら、えぇい! ままよぉぉ!」
最早考えなど捨てた。後は本能に従うのみ。と言いたげになのはは壁に掛けられていた例の服に手を掛けた。
***
「全く、困りましたねぇ貴方には。よりにもよって鍵を掛けた挙句扉を壊してしまうなんて」
通路を歩きながら横目でちらりと見つつ、武市は呆れた風な声を挙げていた。その横で、どうにか解放されたまた子は肩をぐるぐる回しながら武市の愚痴を耳が痛そうな顔で聞いていた。
「わ、私のせいじゃないっすよ! 朝になって扉を開けようとしたらあぁなってただけっすよ!」
「だからその時点で貴方が壊したんでしょ? この猪女が、だから貴方には女としての魅力が感じられないのです」
「武市先輩はただのロリコンでしょうが」
「だから言ってるでしょうが! 私はロリコンじゃなくてフェミニストなんです! ただ小っちゃい女の子が好きなだけなんですよ私は」
「それを世間じゃロリコンって言うんすよ先輩」
痛い所を突かれたかと思われたが当の本人は全く顔色が変わってない。と言うかこの顔色をどうやれば変えられるのか正直凄い気になったりする。
「やれやれ、相変わらず貴方は口やかましいで
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