第70話 雨の降ってる日には傘をさそう
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アニメと言ったらこれだ。なのはは物心ついたころからこのアニメに嵌ってしまい、以降毎朝これを見るのが日課になってしまったのだ。
その為に、毎朝昼寸前まで惰眠を貪る銀時はその犠牲となってしまったのは言うまでもない。
そうと分かれば居ても立ってもいられず、音のする部屋の扉を開いた。今回は壊さないように細心の注意を払いつつゆっくりと扉を開く。
部屋の中は正に別世界と呼べる代物であった。壁一面に不思議魔女っ娘ととこちゃんのポスター。天井にはブロマイド。床には絨毯。その他ととこちゃん関連のグッズが所せましと置かれている。
なのはにとっては正しく理想郷とも言えた。ととこちゃん好きにとっては何もかも喉から手が出る程欲しい代物ばかりであったのだ。
しかも、テレビでは今現在放映中の不思議魔女っ娘ととこちゃんが上映されている。それも今日放映される話であった。
「うふぉぉぉぉう! これはまるで別世界じゃん! しかも、どれもこれも私が欲しかった物ばっかりだし!」
マグカップ、テーブル、食器セット、枕、その他諸々……
どれもこれもなのはが欲しいと父銀時に懇願したのがが結局買って貰えず諦めた代物ばかりであった。
因みに買って貰えなかった原因と言うのが値段云々と言うのもあるがあれを赤の他人が発見し変な噂を持ち込まれたくない。と言うのがそもそもの原因だったりする。
「あ! これはアニメ上映100回記念に数量限定で生産された超レア物の奴で、そんでこっちのは視聴率45%突破記念に製造されたすっごい貴重な奴で、そんでこっちのは―――」
一体何処にそんな知識があるのか甚だ疑問ではあるが、とにかくなのはの大好きな不思議魔女っ娘ととこちゃんグッズに囲まれて現在進行形でなのはのテンションは天井を突き抜ける勢いまでに上昇をしていたのであった。
「あ〜、まるで夢みたい〜。はっ! まさかこれは夢? 嫌、まさかそんな……でももしかしたら、いやいやいやまさかそんな……」
不安と疑念の入り混じった感情で勝手に困惑しだすテンションうなぎ登り中の9歳児。何を思い立ったか自分の頬を思いっきり抓って見る。
無論、そんな事すりゃ痛いのは確実であり、気が付けば目から涙が流れ落ち、抓った個所の頬は赤く変色していた。
「夢じゃないぃぃぃぃ! これは現実なんだぁヒャッホォォォ! それじゃ、このマグカップとか食器セットとかはこの際諦めるとして、その他のグッズはちょっと位拝借しちゃっても大丈夫かなぁ? う〜、う〜、どれにしよう……」
口からはよだれを垂らし、目を血走らせる某何処かの魔法少女アニメの主人公だった筈の9歳児。とても世間にお見せできる顔じゃないのは言うまでもない。正直これが小説であって本当に良かったと思っちゃったりしちゃってます。
そん
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