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SAO─戦士達の物語
MR編
百三十八話 違和感
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れで、其れをアスナが彼女に指摘した直後にログアウトしたらしいんだ。泣きながら」
「……そりゃあまた、恥ずかし過ぎて、ってわけでもなさそうだな」
「それなら話は単純なんだけどな……以降、一度もログインして無くて、連絡も取れないらしい」
「ふむん……言うて、ログアウトしたままインして無い位なら、一日くれぇ普通だよな?」
「あぁ、けど……明日奈曰くどうしても気になるって話でさ」
後ろ手に頭を掻きながら、涼人は小さく息を吐いた。

「で?んじゃその病院はあれか。メディキュボイドを使ってる……」
「あぁ。日本で唯一の臨床実験施設だ」
「ふぅん……」
小さく行った涼人が、画面に表示された病院の名を見る。[横浜港北総合病院]、画面の右上には、妙に整った字で、そんな名が表示されていた。

「…………」
『おにーちゃーん!!まだー!?』
と、不意に階下からそんな声が聞こえて、和人が振り向きながら言った。

「おっと、兄貴、行こうぜ」
「ん、あぁ」
パソコンをシャットダウンして立ちあがった和人の後ろを、涼人は付いて行く。と……

「……なぁカズ」
「うん?」
ふと立ち止まり、涼人は和人を呼びとめる。振り向いた彼に、涼人は親指で頬を掻いて言った。

「お前、病院の事明日奈に話すよな?」
「……あぁ、そのつもりだけど……反対?」
「いや。それ自体には、ただ……な」
其処で涼人は、言いにくいように首をかしげつつ俯く。そんな珍しい涼人の様子に、和人は若干驚いたように言った。

「……?なんだよ、珍しくはっきりしないな」
「……だな。んじゃはっきり行くか」
和人の言葉に自分でも可笑しいと感じたのか、苦笑しながら涼人は顔を上げる。そうして、真っ直ぐに彼を見ると、調子を戻そうとするようにはっきりとした声色で言った。

「その話、ちょっと俺にも噛ませろ」

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