MR編
百三十八話 違和感
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涼人の方を指さして言った。ただし、彼女が指差しているのは涼人自身でも、まして自分のブラでも無い。そのブラを涼人の方へと持ち去った物体。丁度某有名漫画の空を飛ぶための竹トンボ染みたフォルム……と言っても、二枚羽では無く四枚羽に、明らかに軽そうなシャープなフォルムの飛行物体だ。プロペラの下に超小型のモーターとバッテリーが付いて居て、それによってかなり全体的にも軽量化がなされている。
更にその下に、銀色の細いワイヤーとフックが付いて居た。ただしフックはプラスチック製であまり鋭利には尖って居ない。その辺り、釣った物を傷つけない意図なのだろう。
「これはだな、カズに手伝ってもらって俺が久々に制作した、[俺式ボット]の久々の最新作!その名も、[プロペラフック壱号]!!」
『わぁ、名前そのまんま……』
直葉が内心で突っ込みを入れている間に涼人は説明を続ける。
「ニ週間前はまだ完成して無くて間に合わなかったけどよ。正月休みの間にコツコツやって完成したんだこれが。ちなみに、お前さんの今日の敗因はだな、先ずこれの存在を知らなかった事」
「知るわけないでしょ!?」
「次に俺にボディチェックをしなかった事」
「え、何、洗濯機に洗濯物入れるのに其処までの警戒しなきゃいけないの!?」
「最後に、頭上に気を配らなかった事な。だから何時も言ってんだろ前後左右だけじゃなくて上下も気にしろって。お前今回下には気ぃ配ったけど、一番大事なのは上だ上。人間の一番の死角だからな頭上は」
「ALO内でならまともに受け止めるご忠告どうも!!」
次々突っ込んでぜーはー言っている直葉に、すまし顔で涼人がとどめとばかりに一言を言った。
「ま、これでまた仕掛けの幅が広がったな。次はなに作っかな〜」
「ニ週間も使って何してんのよこの馬鹿ァ!!!!」
「あ、ちょま、木刀は流石にホント死ぬ……ごふぉぁ!!」
鈍い音と涼人の悲鳴が直後に上がったのは、言うまでも無い。
────
「今日の夕飯の要求はラビオリだってよ。どこで覚えたんな料理……つか、専用の生地なんか売ってんのかよ面倒くせぇ!」
「いや兄貴が悪いから、てか、なんで俺が手伝ったって言うんだよ!お陰で今日竹刀で起こされかけたんだぞ!?」
「躱したんだから良いだろうが。いやさすが、殺気に敏い!」
「馬鹿にしてるだろ!?」
言いながら学校までの道のりを歩くのは、涼人と和人だ。この二人が一緒に登校する頻度と言うのは、まぁまちまちである。ちなみにだが大体別れて登校する場合は、涼人の方が遅い。
「まったく……ま、それなら今日の夕飯は期待させてもらうよ」
「手伝ってくれても良いんだぜ〜」
「丁重に遠慮させてもらいます。足手まといだろうし」
「にゃろうめ」
コツンと涼人が和人を小突き、二人は校門を通過する
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